新習慣「母の月」に贈る 進化する「カーネーション」で贈り花の新世界 第3回(全5回) 初夏の陽気に、色とりどりの切り花が店先に並び、ひときわ花贈りが楽しい5月。花を贈る風習は、今や「母の日」一日のものでなく、1か月間の楽しみへと広がりを見せています。なかでも「母の日の花」といわれてきたカーネーションが、色も形も麗しく、進化しているのをご存じですか? 見慣れた花とは印象を一新した個性あふれる品種が続々登場して、今や、美しいブーケやアレンジメントに欠かせない存在になりつつあります。カーネーションの最新事情と、人気フローリストによる贈り花の新世界へご案内しましょう。
前回の記事はこちら>> カーネーション使いの名手が披露する
人気フローリストの贈り花
カーネーションそれぞれの品種が持つ個性を、自らのスタイルの中で最大限に引き出す技を備えたフローリストを3人ご紹介します。
・「フルール トレモロ」藤野幸信さん ※この記事
・「ジャルダン ノスタルジック」青江健一さん ※4/20公開
・宙花~sora hana~戸部秀介さん ※4/21公開
彼らが作る贈り花の、心が震えるほどの美しさをご堪能ください。
国内産の新鮮な花の勢いを生かしたナチュラルな贈り花
「フルール トレモロ」藤野幸信さん
上・衝撃を受けるほどの美しい‘シャララ’シリーズ4種をボリューム感あるラウンドブーケに。‘シャララ’、‘シャララライト’、‘シャララピコ’、‘シャララパープル’を計50本以上にラムズイヤーをあしらって。約2万5000円。カーネーションは大好きで、一年中よく利用します。花色が豊富にあり、ふんわりとしたボリューム感があるのでメインでもサブでも活躍します。
鮮度のいい国産のカーネーションを使うように心がけていますが、なかでも香川県の農家が育種したʼミナミʻシリーズはうちの定番品種。センスのよいニュアンスカラーが揃っているだけでなく、花の大きさ、茎の強さなど扱いやすさも抜群によく、日持ちもよいので贈り花に安心して使えます。
クリームイエローをメインにフレッシュ感のあるブーケに
カーネーションに少ないイエロー&アプリコット色のニュアンスカラーがある‘ミナミ’シリーズを使ったブーケ。‘バニラミナミ’、‘レモンミナミ’、‘シルクミナミ’が描くグラデーションをビバーナム、キルタンサス、アカシアでさらに広げ、アクセントには赤いスカビオサ。表情豊かに飛び出す花はアヤメ科のメラスフェルラ。約2万5000円。上のブーケで使った主なカーネーション最近では、大輪フリンジ咲きのʼシャララʻに衝撃を受けました。初めて見たとき、一瞬、新種の花?と思うほど花姿が繊細で、しばし見惚れました。
バイカラーのカーネーション‘レディシーン’と赤バラ&ブルーローズの共演。純白のユーチャリスをアクセントに。約2万円。ブーケでもアレンジメントでも何種類もの草花を合わせて、葉物や枝物をたっぷりと使い、ナチュラルな雰囲気に仕上げるのが、私のスタイルです。カーネーションをメインにした贈り花でも、動きのある小花や瑞々しい葉物をあしらって、ナチュラルな心地よさが伝わるように心がけています。
ごく淡いアプリコット色のカーネーション‘マキアート’に、同系色で少しくすんだ花色のバラ‘オリエンタルキュリオーサ’と‘ブラックティー’を合わせ、アップルミントやゼラニウムなど、ハーブのフレッシュな葉色を添えたアレンジ。バラが好きなお母さまに贈りたい母の日ギフト。約8000円。藤野幸信/Yukinobu Fujino
「fleurs trémolo」のオーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道へ。著書に『大切な人への贈り花』(世界文化社刊)など。「今、この花を贈りたい!」を家庭画報.comで配信中。 Information
フルール トレモロ
広島県広島市南区段原1-5-7
- 電話、インターネット、FAXで注文可能。全国発送可。料金別途。 ※商品の価格は通常時の参考価格です。なかでも「母の日」前後は切り花が高騰することがあります。注文日によって価格が変動しますので、お店にお問い合わせください。
〔特集〕進化する「カーネーション」で贈り花の新世界
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『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。