新習慣「母の月」に贈る 進化する「カーネーション」で贈り花の新世界 最終回(全5回) 初夏の陽気に、色とりどりの切り花が店先に並び、ひときわ花贈りが楽しい5月。花を贈る風習は、今や「母の日」一日のものでなく、1か月間の楽しみへと広がりを見せています。なかでも「母の日の花」といわれてきたカーネーションが、色も形も麗しく、進化しているのをご存じですか? 見慣れた花とは印象を一新した個性あふれる品種が続々登場して、今や、美しいブーケやアレンジメントに欠かせない存在になりつつあります。カーネーションの最新事情と、人気フローリストによる贈り花の新世界へご案内しましょう。
前回の記事はこちら>> カーネーション使いの名手が披露する
人気フローリストの贈り花
カーネーションそれぞれの品種が持つ個性を、自らのスタイルの中で最大限に引き出す技を備えたフローリストを3人をご紹介します。
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「フルール トレモロ」藤野幸信さん・
「ジャルダン ノスタルジック」青江健一さん・宙花~sora hana~戸部秀介さん ※この記事
彼らが作る贈り花の、心が震えるほどの美しさをご堪能ください。
ピンクを愛すればこそ辿りついたエレガンス
「宙花 〜sora hana〜」戸部秀介さん
繊細なフリンジ咲きのこの花を、カーネーションだとわかるかたは、かなりの切り花通。話題のカーネーション‘シャララ’シリーズ3種をふんだんに使い、薄紫色のスカビオサやスターチス、バラやアルストロメリア、シレネを合わせてエレガントなラウンドブーケに。ブーケ制作/戸部秀介〈宙花〉カーテン/マナトレーディング東京ショールームファッションでピンクを挿し色に使うのが好きだったので、花の仕事を始めてから、花色にピンクが多いのがとてもうれしくて、贈り花にもよく使うようになりました。
透明感のあるラベンダー色に染めた‘ティント ラベンダー’とシックなピンクの‘ファリダ’。2種のカーネーションの花色を対比させたラウンドブーケは、珍しい染め花ということもあって、インパクト大! 約1万円。なかでもカーネーションのピンクの種類は圧巻です。ビビッドからくすみ系、ダークピンクまでおしゃれな色が揃っているので、ピンクを使ってさまざまな表現ができます。
小さな女の子をイメージしたラブリーな贈り花から、クールでかっこいい贈り花まで、どんどんイメージがわいてくるので、必然的にカーネーションをよく利用するようになりました。
気品のある濃淡ピンクのカーネーション2種に、スプレーカーネーション、アルストロメリアを加え、落ち着いたトーンのピンクグラデーションのブーケに。フレッシュな葉色でピンクをより美しく引き立てて。約5000円。また、ブーケは整った形に仕上げるスタイルが好きで、ふんわりしたカーネーションは丸いラインをきれいに出すのに、とても使いやすい花です。
生花で作るテーブルリースもカーネーションを加えるとボリューム感が出せ、この花が持つ柔軟さにまだまだ可能性を感じます。
〔母の日の食卓をエレガントに。濃淡ピンクのフレッシュリース〕カーネーションには、たくさんの異なるピンクがあるという魅力をテーブルリースで表現。大輪の‘シャララピコ’をメインに、スプレーカーネーション2種、スプレーバラ、スターチスを使い、立体感のある美しいフォルムに。家族が集う母の日の食卓を、幸せを感じさせるピンクグラデーションで彩って。約1万5000円。テーブルクロス/アクセル ジャパン上のリースで使った主なカーネーション最近のお気に入りはスプレータイプ(SP)で花が小ぶりのʼモカスイートʻで、くすみ系の花色は脇役としても大活躍してくれます。
少し青みを帯びた濃いピンクのカーネーションに、淡いアプリコットピンクのバラを合わせてブーケに。約1万円。戸部秀介 TOBE SHUSUKE
35歳の時に花業界へ転身。大手生花店、フランス人のフラワーデザイナーの店で経験を積み、2016年に「宙花」をオープン。リースを得意とし、ワークショップにも力を注ぐ。 Information
宙花~sora hana~
東京都世田谷区中町5-17-5 1階
- 注文は宙花ウェブショップで。来店、電話、インターネット、FAXで注文可能。全国発送可。送料別途。 https://sora-hana.shopinfo.jp/ ※商品の価格は通常時の参考価格です。なかでも「母の日」前後は切り花が高騰することがあります。注文日によって価格が変動しますので、お店にお問い合わせください。
〔特集〕進化する「カーネーション」で贈り花の新世界
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詳しくはこちら>>> 撮影/本誌・西山 航 スタイリング/阿部美恵 取材・文/高梨さゆみ 戸部秀介
『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。