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長命こそ勝ち残りの源!“食”を大切にした徳川家康流「究極の開運パワーフード」

2023.04.26

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徳川家康の秘密 第9回(全26回) 東海道で結ばれる出世の道を巡りながら、人間・徳川家康の実像と、意外に知られていない現在の日本人と家康との関係に迫ります。前回の記事はこちら>>

神君・家康公に学ぶ「開運出世術」


家康が天下人になり江戸時代を築き上げることができた最大の要因は“健康”であったことといえるでしょう。平均寿命40歳前後の時代に、75歳で天寿を全うした家康。「長命こそ勝ち残りの源である」と健康に気を配り、「食」を大切にしました。人生100年時代の今、健康に生きる秘訣を家康の食習慣から紐解きます。

カクキュー八丁味噌
江戸時代初期より続く「カクキュー」の「八丁味噌」は、大豆と塩のみを原料にして、木桶に約6トン仕込み、職人が3トンの石を円錐状に積み上げて二夏二冬(2年以上)、じっくりねかせる。八丁町は高温多湿な気候のため、仕込み水を極限まで減らし、重石をして水分を均等に行き渡らせ、天然醸造で熟成させる。「創業当初から伝えられる製法を守り、この蔵を次代につないでいくのが私の使命です」と19代当主・早川久右衛門さん。

健康第一



究極のパワーフード「麦めしに豆味噌」


カクキュー八丁味噌

家康の好物「焼き味噌の湯漬け」。写真はしょうがのみじん切り、白ごま、細ねぎの小口切りと八丁味噌を丸め、軽く焦げ目がつくまで焼いて玄米にのせ、お湯を注いだ。

「そなたたちはわしがケチで麦飯を食べているとでも思ったのか」――『武将感状記』

家康は若い頃から天下人となってもなお、一貫して麦めしと豆味噌を中心とする質素な食事を好んでいたといわれています。

大麦は食物繊維の宝庫で、その含有量は精白米の約16倍。注目すべきは水溶性食物繊維β - グルカン。肥満や糖尿病予防、コレステロールを減らす効果を持ちます。豆味噌は、大豆と塩を原料に長期熟成させたもの。たんぱく質やイソフラボンが豊富で、アンチエイジングや成人病予防に効果があります。

家康は江戸へ移ってからも、出身地である三河の岡崎から豆味噌を取り寄せていたとか。

家康の生誕地・岡崎城から西へ八丁(約870メートル)のところにある八丁町(旧八丁村)で造り続けられている豆味噌が今もあります。今川義元の家臣だった早川家(「カクキュー」)の先祖は、桶狭間の戦いで敗れた後に寺で味噌造りを学び、数代後の1645年に創業。地名から「八丁味噌」と呼ばれるようになりました。

濃厚なうまみ、爽やかな酸味と渋みのある味わいは、家康が愛した味そのものです。

カクキュー八丁味噌左・八丁味噌は加熱しても香りがとばないので味噌煮込み料理に最適。右・「家康公の天下泰平むすび」1袋540円。家康好みの玄米と豆味噌をお煎餅に。

カクキュー八丁味噌左・味噌蔵や史料館の見学ができるほか、売店や食事処も併設している。右・大河ドラマ放送記念パッケージ「三河産大豆 八丁味噌 化粧箱」400グラム750円。

Information

カクキュー八丁味噌

愛知県岡崎市八丁町69番地

TEL 0564(21)1355
営業時間 9時~17時(見学は10時~16時)
定休日 無休(年末年始を除く)
    撮影/久間昌史 取材・文/北村美香
    『家庭画報』2023年5月号掲載。
    この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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