徳川家康の秘密 第14回(全26回) 東海道で結ばれる出世の道を巡りながら、人間・徳川家康の実像と、意外に知られていない現在の日本人と家康との関係に迫ります。
前回の記事はこちら>> 名古屋圏のリーダーに聞く「徳川家康の生き方に学ぶこと」
幼少期を人質として過ごし、その後も苦労と忍耐を重ねながら天下を取った家康が残した言葉は、多くの現代のリーダーたちの座右の銘にもなっています。家康にゆかりのある東海地方で発展してきた企業のトップに語っていただきました。
『徳川家康公御画像』絹本著色(部分)伝狩野了琢筆 日光東照宮蔵東照大権現として神格化された家康像。愛知ドビー 代表取締役社長 土方邦裕さん
本社所在地:愛知県名古屋市
主な事業内容:1936年創業の老舗鋳造メーカー。鋳物ホーロー調理器 バーミキュラ製品を製造、販売。
(1)「心に留めている名言」と「家康の生き方に学んだこと」「私は秘蔵の品は持っていないが自分のために命をかけてくれる武士が500騎ほどいる」
豊臣秀吉に「お前はどんな宝を持っているか」と問われたときに、こう答えたようです。人が会社にとって一番の財産だと考えます。長年培った技術を持った職人たちや、さまざまなバックグラウンドを持った社員とともに、よい製品・サービスを届けられるよう努めています。
「水はよく舟を浮かべまたよく覆す」
側近や家臣たちを大切にしたことで有名な家康のように、家族や社員はもちろん、お客さまを大切にすることが重要だと考えます。
「最も多くの人間を喜ばせたものが最も大きく栄える」
製品を購入していただくだけではなく、毎日製品を使って手料理がある生活を楽しんでいただけるよう、購入後のアフターフォローや公式レシピアプリのサービス等、お客さまに喜んでいただくことを第一に考えています。
(2)名古屋圏の人々の気質や魅力日本のものづくりの特徴である品質の安定した高さは、決められたルールを愚直に守るところや、継続的な改善からくるもので、これが製造業をけん引する名古屋圏の気質だと思います。
『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。