人生の最期に走馬灯のように甦る過去を主人公たちはどう受け止めたのか。
『パリタクシー』
© 2022-UNE HIRONDELLE PRODUCTIONS,PATHE FILMS, ARTÉMIS PRODUCTIONS,TF1 FILMS PRODUCTION 配給:松竹『パリタクシー』は生活の上で危機的な状況にあるタクシーの運転手・シャルルが、パリ郊外に住む92歳のマダム・マドレーヌが自宅を引き払い、同じパリの反対側にある介護施設へ移り住むために呼ばれたところから始まる。
しぶしぶ受けてやってきたシャルルにマドレーヌは寄り道を依頼するのだが、それは彼女にとって終活となる“記憶を辿る小さな旅”だった。
その旅にはマダムの縁の地やパリの象徴でもあるエッフェル塔などが登場する。それぞれの地で少しずつ解き明かされていくマダムの人生と、彼女と出会ったシャルルの人生が新たな転機へと発展していく。
マダム役/シャンソン歌手のリーヌ・ルノーとシャルル役/コメディアンのダニー・ブーンは実生活でも交流のある仲。2人の距離感が物語に真実味を添えている。
『ザ・ホエール』
© 2022 Palouse Rights LLC.All Rights Reserved. 配給:キノフィルムズ『ザ・ホエール』は恋人を失ったことで過食症となり、272キロにまで太ってしまったチャーリーの最期の5日間が描かれている。
ブレンダン・フレイザーが演じるチャーリーは自らの死期が近いことを悟り、トラウマと向き合い、離婚後に絶縁していた娘との絆を取り戻そうとする。その姿は壮絶だ。
『パリタクシー』
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『ザ・ホエール』
2022年 アメリカ 117分
監督/ダーレン・アロノフスキー
原案・脚本/サミュエル・D・ハンター
出演/ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートンほか。
URL/
https://whale-movie.jp/TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー 構成・文/山下シオン
『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。