gaze 藍/netz 藍 有永浩太 2022年 作家蔵東京のサントリー美術館で、吹きガラスにフォーカスした展覧会が開催中だ。担当学芸員の林 佳美さんに話を伺った。
「当館ではガラス工芸をテーマとしたさまざまな展覧会を開催してきましたが、吹きガラスのみにスポットを当てるのはこれが初めてです。
魅力は、熱く熔けたガラスの“やわらかさ”を生かした表現です。熱いガラスに息を吹き込みながら、直接触れずに形づくる技をお楽しみいただけます」
展示作品は、200件以上。見どころは、どんな作品だろうか。
吊手付二連瓶 東地中海沿岸域 4~5世紀 遠山記念館船形水差 イタリア 16~17世紀 サントリー美術館「4〜5世紀のローマ時代の吹きガラス《吊手付二連瓶》は、所蔵する遠山記念館以外で初めての展示となります。10年ぶりに展示される当館の人気所蔵作品《船形水差》は、ヴェネチアのホットワークの技が光る逸品です。《藍色ちろり》は、江戸時代の吹きガラスの名品。技法研究として東京藝術大学と共同で製作した試作品や記録映像も初公開します。
加えて、ヴェネチアン・ガラスのレース・ガラスの手法をベースに独自の表現を行う有永浩太さん、吹きガラスの手法でユニークなフォルムを生み出す小林千紗さんなど、新進気鋭のガラス作家8名の作品も展示します」
藍色ちろり 日本 18世紀 サントリー美術館しろの くろの かたち 2022 小林千紗 2022年 作家蔵最後に、メッセージをいただいた。
「技法などの解説を工夫しました。各作品がどのように生み出されたのかを想像しながら鑑賞し、ガラスの魅力を再発見していただけると嬉しいです」
吹きガラス 妙(たえ)なるかたち、技の妙(みょう)
サントリー美術館〜2023年6月25日まで
休館日:火曜(ただし、6月20日は18時まで開館)
開館時間:10時~18時(金曜・土曜は20時まで)
観覧料:一般1500円ほか
TEL:03(3479)8600
URL:
https://www.suntory.co.jp/sma/*会期中展示替えあり
※入館は閉館30分前まで
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/安藤菜穂子
『家庭画報』2023年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。