想像を超える未来へ
©T.Tairadateクラシック界では若いピアニストの活躍が目覚ましい。その中でも注目度上昇中なのが、亀井聖矢。
もともとファンの多かった彼だが、2022年ロン=ティボー国際音楽コンクールピアノ部門で優勝。パリの聴衆を沸かせ、世界への扉を開いた。
亀井のピアノの魅力は、楽曲の持つドラマや情感を存分に伝える音楽づくり、そしてそれを自在に表現できる高いテクニックにあるだろう。
2022年末リリースされたアルバム『VIRTUOZO』には、彼が挑んできた国際コンクールで披露し、世界各地の聴衆をうならせた十八番のレパートリーが収められている。
「ラ・カンパネラ」、「イスラメイ」などの難曲も、見事に弾きこなすことの先に到達し、クリアな音で作品の真の魅力を教えてくれる。
2023年5月末からは、凱旋リサイタルツアーとして全国で12公演を行う。東京公演は満席が常の亀井のピアノを、日本各地で聴くことができる機会だ。
今年に入って文化庁長官表彰や出光音楽賞を次々受賞するなど、さらなる活躍が期待される21歳。
今後の自分について「毎年、想像できなかったところに行ってみたい。未来の自分には、今思い描けるようなところに留まっていてほしくない」と話していた。
亀井 聖矢(かめい・まさや)2001年生まれ。17歳で飛び入学特待生として桐朋学園大学に入学。在学中の2019年、日本音楽コンクールピアノ部門第1位、ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ。2022年、ロン=ティボー国際音楽コンクールで第1位となり、さらなる注目を集めた。 編集部おすすめ
[CD]
亀井聖矢『VIRTUOZO』
em-0026 3000円20歳の最後にリリースされた、1stフルアルバム。超絶技巧の名曲を卓越したテクニックとみずみずしい音で奏でる。サントリーホールで収録。
[収録曲]リスト:「ラ・カンパネラ」、超絶技巧練習曲第4番「マゼッパ」、ラヴェル:「夜のガスパール」、バラキレフ:東洋風幻想曲「イスラメイ」
[公演]
亀井聖矢 凱旋リサイタルツアー(2023年)
5月30日 札幌コンサートホールKitara
6月6日 電力ホール(仙台)
6月8日 山形テルサ
6月29日 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
7月4日 岩手県民会館
7月5日 八戸市公会堂
7月6日 ふくしん夢の音楽堂(福島)
8月5日 愛知県芸術劇場
※東京、大阪、福岡公演は完売
[詳細]URL:
https://www.masaya-kamei.com/concert 表示価格はすべて税込みです。
構成・文/高坂はる香
『家庭画報』2023年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。