『家庭画報』4月号のファッション特集「今、輝く男性が着るパリ&ミラノコレクション」にご登場くださった落語家の笑福亭鶴瓶さん。
実は撮影当日、前の仕事が早く終わったとのことで、予定の30分以上前にスタジオにご到着。スタッフが慌てていると、鷹揚に手を振りながら、「全然気にせんでええから」といって安心させてくれました。
そんな鶴瓶さんのインタビューはさすがの話術と豊富な話題で、まるでトークライブのような面白さ! ここでは本誌で収録しきれなかった話をご紹介します。
「ヨウジヤマモト」は鶴瓶さんおなじみのブランド。コブラやタイガー、ハト、薔薇などをコラージュしたユニークなプリントのロングシャツもよくお似合いです。ライダース風のジャケットは袖口の編み込みがポイント。ウエストがゴムのパンツは、左脚部分に鮮やかな赤と紫の刺繡が施されています。ジャケット12万2000円 シャツ11万円 パンツ10万2000円 靴6万2000円/ すべてヨウジヤマモト ソックス/スタイリスト私物お洒落で洋服好き。「全部自分で買いに行きます」
撮影後、私服に着替えた鶴瓶さんは、白黒の起毛ニットがちょっぴりパンダを連想させるチャーミングな装い。お洒落ですね、というと、
「洋服好きなんですよ。服も眼鏡も全部自分で買いに行きます。最初は大阪の落語家っていうイメージを壊したいみたいなところがあったんでしょうねぇ。だからアフロにしたり。落語家がアフロっておかしいでしょ?」
とのお返事。若い人はご存じないかもしれませんが、鶴瓶さんはその昔、アフロヘアがトレードマークという異色の落語家さんでした。
「最近はわりと上下よう似た色で収めるというのが流行ってるじゃないですか? だから上も下もグレーとか、今日みたいにモノトーンの服装が多いですね。時期によってはカラフルな服を着るときもあります。このニットは「オーバーザストライプス」というブランドのもの。(マネージャーさんのニットを指して)それも同じとこのやろ? ちゃうの? ちょいちょい彼と一緒に買うから、ペアルックみたいになってまうんですよ(笑)」
鶴瓶さんといえば笑顔。でも、昔は笑ってなかった!?
鶴瓶さんといえば誰もが笑顔を思い浮かべるかと思いますが、意外なことに笑顔を封印していた時代もあったのだとか。
「あのね、僕らが噺家になった頃って、プロフィール写真はみんな“ニカ”って笑ってたんですよ。でも僕はそれがいやで、全然笑わなかったんです。最初の頃、まだ若いときのことですけどね。全然とがってもないのに、なんで笑わなあかんねん!みたいなときがあったんです。意味がわからず笑うっていうのがいやだと思ってたんです。でもね、まわりまわって、笑顔になりました。自分の統計のなかで、やっぱり笑顔がいいんですよ。
あるとき、撮影で『笑わないでください』っていわれたんですね。ほな笑わんとこって、撮影中、ずーっと笑わんかったんです。そうしたら『最後に一つだけ笑顔撮りましょう』っていわれてね、フタを開けてみたら、その写真が使われていたんです。さんざんぎょうさん撮っといてね(笑)。結局笑顔のほうがよかったんですよ。
僕の笑顔がいい? 人は形状記憶やいうけどね。でも、笑ってたほうが楽しいじゃないですか。観てる人のなかには、口はばったいけど、『笑顔に救われた』とかいってくれる人もいてたりして。僕の笑顔でちょっと癒やされたみたいになるなら、いいなと思います」
そうまじめに話すと、「今、『99.9%刑事専門弁護士SEASONⅡ』ってドラマで、松潤(松本潤)と対峙する裁判官の役をやってて、これが珍しくほとんど怖い顔なんです。みんなはあれがほんまの顔やろ、いうてます(笑)」と笑いで締めくくりました。