フィギュアスケート

フィギュアスケート愛(eye) 平昌五輪、涙腺崩壊のプログラム5選

2018.03.06

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フィギュアスケート愛(eye)選
平昌五輪、涙腺崩壊のプログラム その2



エンリコ/アフロスポーツ

アダム・リッポン選手(アメリカ)のFS


「Arrival of the Birds」171.41点



多彩な表現力でプログラムごとにまったく違う演技を見せてくれるアダム・リッポン選手。

いつも彼のプログラムには、観客に伝えたいメッセージが明確に込められていると感じます。

今回のFSは、怪我をした鳥が回復し、さらに高いところへ向かって羽ばたいて行くストーリー。2017年1月に骨折して苦しんだ自分の姿に重ね合わせていると言われています。

4回転時代と言われているなかで、あえて構成には4回転を1本しか入れていませんが、美しいトリプルアクセルやスピンでフィギュアスケートの芸術性を堪能させてくれる、本当に魅力的なスケーターです。

初めてのオリンピック出場を目指してきた今年度、気迫あふれる演技でGPSのNHK杯で2位、スケートアメリカでも2位と好成績を残してきました。NHK杯後に行われた会見でも「自分のキャリアにおいて、スケーターとして今が一番充実している」と目を輝かせていたアダム。

それなのに、1月に行われた代表選考を兼ねた全米選手権ではまさかの4位に。オリンピックでジェイソン・ブラウン選手が見られないだけでなく、アダムまでいないのかとくらくらしましたが、実績を評価されて代表入りしました。

オリンピックに出場できなかったスケーターの分までいい演技を見せなければ、とプレッシャーを感じる部分もあったはずですが、初の大舞台での演技にすべての思いを込め、見事にアダムの世界を作り上げてくれました。

演技後、感極まって涙を流すアダムに会場も大歓声。10位という順位以上に、美しく心にしみる演技でした。

フィギュアスケート愛(eye)選
平昌五輪、涙腺崩壊のプログラム その3



Press Association/アフロ

パトリック・チャン選手(カナダ)のFS


「ハレルヤ」173.42点


髙橋大輔さん、浅田真央さんたちと時代を共にし、フィギュアスケート界を長らく牽引してきたレジェンド、パトリック・チャン選手。

1年の休養を挟んで、オリンピックを目指し戻ってきてくれたものの、思うようにジャンプが決まらず苦しんでいるパトリックの様子に、見ているこちらも切なくなる試合が続いていました。

さまざまな大会で優勝や連覇を飾ってきたパトリックですが、バンクーバー五輪では5位、ソチ五輪では団体戦、個人戦で銀メダルと、4年に1度のオリンピックだけは金メダルを手にすることができずにいました。

平昌五輪で目指すは団体戦の金メダル! 団体戦で男子SP、FSの両方に出場した姿を見て、パトリックの、そしてチームカナダの金メダルにかける本気度を感じました。

そして、遂に手にしたオリンピックの金メダル。4回転の本数や種類の多さがメダル争いには必須になっている今、個人戦で表彰台を目指すには厳しい状況であることはパトリックも十分わかっていました。男女SPにFS、ペア、アイスダンスと総合力が問われる団体戦で、全選手が一致団結して優勝を目指したからこそ、満遍なく強さを発揮し、念願の団体戦金メダルを手にすることができたのです。

団体戦でも個人戦でも、パトリックの演技においてジャンプミスは何度かありましたが、エアリーで伸びのあるスケーティングはやはり圧巻でした。結果としては総合9位でしたが、個人戦でFSを滑りきったあとの、清々しい笑顔が忘れられません。

競技での姿を見ることはもうないのかと思うと、たまらない寂寥感に襲われますが、アイスショーでまた逢えることを楽しみに、新しい旅立ちにエールを送ります。
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