人生を彩る時計メゾン 「パテック フィリップ」後編 時計関係者に“時計ブランドのトップは?”と聞けば、誰もが「パテック フィリップ」と答えるでしょう。真の高級時計を知る人が、その品質を認める特別な存在。資産価値の高さでも常に注目を集めていますが、数あるコレクションの中で最も人気の高いレディスモデルが「Twenty〜4(トゥエンティーフォー)」です。24時間、女性が輝く瞬間をいちばん近くで見守り続けます。
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パテック フィリップというと、複雑な機構をいくつも搭載している男性用コンプリケーションウォッチのイメージが強いかもしれません。しかし、その歴史を丁寧に紐解いていくと、実は女性用に作った時計でブランド初、そして世界初の記録を多く打ち立ててきたことがわかります。
1851年 ヴィクトリア女王のペンダント・ウォッチとブローチ
1851年、ロンドンで開催された世界初の万国博覧会で同社が金賞を獲得。この博覧会の際に、ヴィクトリア女王に献上されたとされているのが、このペンダント・ウォッチ。特許を取得した初のリューズ巻き上げ・時刻合わせ機構が搭載されています。
1868年 パテック フィリップ初でスイス初の腕時計
ハンガリーのコスコヴィッチ伯爵夫人が購入したとされるこの時計が、同社初の、そしてスイス初の “腕” 時計といわれています。ローズカットのダイヤモンドがセットされたカバーを開けると時計が姿を現すシークレット・ウォッチ。
1916年 5分ミニットリピーター付き女性用腕時計
パテック フィリップ最初のリピーター腕時計。リピーターとは音で時刻を知らせる機構のことで、ケースサイドにセットされたボタンをスライドさせたときだけ内蔵されたハンマーが金属製のゴングをたたき、音の回数で時刻を知らせます。
2009年 レディス・ファースト・クロノグラフ
ダイヤルに2つのインダイヤルを持つツーカウンターのクロノグラフ。パテック フィリップが満を持して自社開発した手巻きのキャリバーCH29-535も、実は最初にレディスモデルに搭載され、その後メンズモデルで定着しました。
2011年 レディス・ファースト・ミニットリピーター
ミニットリピーターとは、分単位まで音で時刻を知らせることができる複雑機構の1つ。パーツ数が多く、小さなムーブメントへの搭載は困難とされていますが、同社は小さなレディス専用の世界最小クラスのムーブメントを開発しました。
2012年 レディス・ファースト・パーペチュアル・カレンダー
大の月と小の月に加え、閏年も認識できるパーペチュアル(永久)カレンダーは2100年まで調整の必要がありません。小さな回転ローターを持つキャリバー240系で、初めて永久カレンダーが搭載されたのも、レディスモデルでした。