初夏の庭に咲かせてみたい「エリンジウム」。どんな花とも相性よし

エリンジウム

水色の池を背景にエリンジウムが咲く美しいシーン。長野県のガーデンで見かけた光景は、はっとするほどきれいでした。

■属科・タイプ：セリ科の宿根草
■花期：6月〜8月

■草丈：10〜100cm

花色も質感もクール！個性的ながらどんな花とも相性よし

切り花やドライフラワーでは以前からおなじみのエリンジウムですが、庭で咲いているのは見かけたことがないかたも多いと思います。エリンジウムは耐暑性が弱い品種もあるため、冷涼な気候でないと育ちにくい面もあり、宿根草ながら日本の温暖地では一年草扱いとされることも多くあります。

北イングランドのガーデンを訪ねた際、庭で元気よく咲いているエリンジウムを見てとても羨ましく感じました。気候が適していればこんなによく育つのか、と。エリンジウムの魅力である少し青みがかったメタリックな花色と、硬質な質感、ユニークな花形は、他の花々に囲まれた中でもよく目立ち、クールな魅力を存分に発揮していました。昔から知っている花なのに、初めて見たかのような新鮮な気持ちになり、胸がときめきました。こんなシーンを日本のガーデンでも見てみたい！


小さな花が集まってかたまりになり、その下にとげとげの総苞が広がります。総苞がとくにきれいに色づきます。

私が気づかなかっただけなのでしょうか。最近、日本の観光ガーデンでもエリンジウムに出会う機会がぐっと増えた気がします。温暖地の神奈川県にあるガーデンでもよく育ち、夏越しして宿根しているそうで、ガーデナーさんが工夫をしてよく管理しているのだろうと思います。

やはり日本のガーデンで咲くエリンジウムもとても素敵で、どんな花と合わせても意外によく似合い、植栽の中でも個性をちゃんとアピールできるのは、エリンジウムのあの独特な花色と質感ならではだと感じています。

青みがより強い品種、白に近いシルバー系の品種などがありますが、いずれも涼しげでこの季節にはうれしい花色です。茎まで青く染まっている品種もあるので、観光ガーデンにお出かけの際には、ぜひエリンジウムを探してみてください。

栽培の難易度

耐寒性はあるものの、耐暑性が弱い種類もあり、基本的には冷涼な気候を好みます。日当たり、風通しがよく、水はけのよい土壌に植えます。直根性なので、根を傷めないようにポットからそっとはずし、根鉢を崩さないで植えつけます。植えつけ時に元肥を施し、たっぷり水やりしたら、その後は雨まかせでかまいません。花は長くもちますが、傷んで茶色くなってきたら摘み取ります。追肥は成長期の4月〜5月に施します。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる