「一生もの」を探しに、クラフツマンシップの魅力溢れるダミアーニへ
銀座に柔らかい春の雨が降り注いだある日。銀座7丁目の「ダミアーニ 銀座タワー」を訪れたおおさわさんと編集長の鈴木。少しこぢんまりとしたエントランスから1歩店内に踏み入れると、ハニーカラーの大理石の床と、ブロンズと白を基調とした温かみのあるディスプレイが広がり、奥へ奥へと誘われます。
今回はダミアーニならではのコーディネート実例をたっぷりお見せしたいと語るおおさわさん。まずはブランドのアイコン「ベル エポック」を見せていただきながらトークがスタートします。
左がおおさわ千春さん、中央が編集長の鈴木。ブティックのスタッフに説明を伺いながら「一生もの」選びが始まります。おおさわ:ダミアーニといえば「ベル エポック」。クロスネックレスの金字塔ですよね。
鈴木:女性だけではなく、男性の方からもすごく人気が高いと聞いています。
おおさわ:イタリアンジュエリーならではのプロポーションというのでしょうか。とても洗練されていると同時に、実に独創的なスタイルでジェンダーを超えて愛されているんです。
鈴木:ダミアーニはイタリアのヴァレンツァで1924年に創業したといいますから、今年で99年! 来年には100周年という老舗ですね。
おおさわ:家族三代で受け継いできたオリジナリティと、ぶれることのないクラフツマンシップが最大の魅力。ベル エポックにはそのエッセンスがぎゅっと凝縮されています。
〈左〉創業者であるエンリコ・ダミアーニの3人の孫が、現在もダミアーニの経営、クリエイティブのすべてを継承しています。中央が長男で社長のグィド・ダミアーニ、長女と次男のシルヴィアとジョルジョが副社長を務めています。〈右〉ベル エポックは、創業者が1930年代に手がけた名品ジュエリー「カスケード」へのオマージュとして、1996年に発表されました。可憐にして表情豊かな花のジュエリー「マルゲリータ」のレイヤードテクニック
鈴木:では今日は、アイコンであるベル エポックからお話をスタートしましょうか?
おおさわ:いえ、ベル エポックはまたあとで。まずは今、私が一番気になっている「マルゲリータ」コレクションから見ていきましょう。
鈴木:イタリアのマルゲリータ王妃へのオマージュとしてデザインされた、花のモチーフのジュエリーですね。
おおさわ:はい、中でも私のイチオシはロングのステーションネックレスなんです。チェーンの間に等間隔に石やモチーフを配置したものをステーションネックレスといいますが、これは本当に大人のお洒落に“効く”んです。ちょっと鈴木さん、つけてみてください。
3階のハイジュエリーフロアにて。鈴木:ステーションネックレスってロングネックレスだから、頭からすぽっとつけられてすごく楽ですよね。肩が痛いときとか、後ろで留め具を留めるのがつらいときがあって……(笑)。
おおさわ:わかります、わかります。40代過ぎると、そういうことが起こります(笑)。でもつけやすさだけが“効き目”じゃないですよ。ステーションネックレスの魅力は、縦長のフォルムであること。縦のラインを作ってあげると、首もとから上半身はもちろん、全身で見たときもしゅっとバランスよく整うんです。
鈴木:なるほど。よくおおさわさんがおっしゃる、ストールで縦のラインを作るとスタイルよく見えるというのと同じ原理ですね。
おおさわ:しかも等間隔で石やモチーフが輝くので、さらに効果的。ステーションネックレスを2本重ねる、または短いネックレスとステーションネックレスを重ねる、ストールと組み合わせるなど、胸もとのコーディネートにバリエーションが作れるのも魅力です。
鈴木:体の動きに合わせて揺れるのも、短いネックレスにはないパフォーマンスですね。
〈写真左〉右から「マルゲリータ」ネックレス(WG×ダイヤモンド、80㎝)109万7800円 同ネックレス(WG×セラミック×ダイヤモンド、80㎝)214万2800円 同ネックレス(YG×セラミック×シトリン、50㎝)30万300円 〈写真右〉重ねづけした「マルゲリータ」リング右(YG×ダイヤモンド×シトリン)63万6900円 同左(WG×ダイヤモンド)53万200円 重ねづけしたネックレス上(YG×セラミック×シトリン、50㎝)30万300円 同下(WG×ダイヤモンド、80㎝)109万7800円/すべてダミアーニボリュームリングは中指につけるのが鉄則! 確実に格好良く見えます
おおさわ:重ねづけのテクニックを覚えると、ジュエリー上級者という印象になります。ネックレスだけでなく、リングも重ねてみてください。同じマルゲリータモチーフで大きさや色が違うものを重ねると、俄然素敵に見えてきます。
鈴木:こうですか?
おおさわ:鈴木さんは薬指にリングを試着するくせがありますね。薬指も素敵なのですが、重ねづけする場合や、そもそもボリュームのあるリングをつけるときは中指につけてみてください。
鈴木:そうなんですか? あ、でも確かに、中指のほうがおさまりがいい気がします。
おおさわ:安定感が出るし、全方位から見える場所なのでジュエリーの存在感が強くなります。どの指につけるかも、リング選びにはとても大切な要素なんです。
マルゲリータ同様、花をモチーフにした「ミモザ」コレクション。右の2つを重ねづけしたり、左の3連になったボリュームリングをつける場合は、ぜひ中指で楽しんでほしいとおおさわさん。〈左から〉「ミモザ」リング(PG×ダイヤモンド)27万5000円 同リング(WG×ダイヤモンド)63万1400円 同リング(YG×ダイヤモンド×イエローダイヤモンド×ブラウンダイヤモンド)113万9600円/すべてダミアーニアイコンの「ベル エポック」をおおさわ流にコーディネートすると……
おおさわ:ではそろそろベル エポックの話に移りましょうか。このネックレスの最大の素敵ポイントは、1粒で3度おいしいところです。
鈴木:クロスが2つ重なって1つのネックレスになっているから、それぞれ別に身につけることができるんですよね。
おおさわ:先ほど、男性からも人気というお話もありましたが、パートナーとシェアできるという面もあるんじゃないかしら。
鈴木:そうですね、外枠は男性、内側のクロスは女性というような使い方ができそうです。ダイヤモンドだけのクロスもあれば、色石とのコンビネーションなど、色や大きさが様々に選べるところも楽しいジュエリーです。ちなみにおおさわさんはどのベル エポックがお気に入りなんですか?
〈写真左〉「ベル エポック」ネックレス(WG×ダイヤモンド、50㎝)174万7900円 同ネックレス(PG×ダイヤモンド、50㎝)174万7900円 〈写真右〉「ベル エポック」ネックレス(WG×ダイヤモンド×サファイア、50㎝)144万3200円 同リング(WG×ダイヤンド×サファイア)87万7800(税込)/すべてダミアーニ パールネックレス(おおさわさん私物)おおさわ:私ならこのサファイアとダイヤモンドを選びます。リングもお揃いで。
鈴木:サファイアは三大貴石というだけあって、なんとなくクラシックで重厚な印象があります。
おおさわ:そうおっしゃるかと思っていました。実は重ねづけでぐんとモダンになるんですよ。今日は私物のパールのネックレスをしてきたのですが、重ねてみるとほら、素敵じゃないですか?
鈴木:格好いいです! レイヤードって、ものすごく自由で、思わぬ効果が生まれるものなんですね。
おおさわ:質感の異なるものを重ねるテクニックです。それぞれにクラシックなアイテムで、しかもどちらもボリュームや迫力があるけれど、質感や光が違うので相乗効果が生まれます。
自分の「格」に見合う、本物のジュエリーを身につけてほしい
おおさわ:先ほど“迫力”と言いましたけれど、40代を過ぎたら人間ってある程度、人としての迫力というか、格が備わってくるものだと思っています。一生懸命生きてきた経験が、その人ならではの格を作り上げる。そんなあなたの「格」に見合うジュエリーはどれですか、ということなんですね。
鈴木:本格とか、人格とか、品格とか……。「格」ってとても根幹に関わるものですね。
おおさわ:そうなんです。ダミアーニはだれにでも似合う、可もなく不可もないようなジュエリーではないんですね。それはやはり、家族経営で継承してきたはっきりとしたデザインビジョンと、職人のものすごく強いこだわりが生きているブランドゆえの個性だと思います。だからこそ「一生もの」を探すなら、ダミアーニを一度、見ていただきたいですね。
鈴木:ブランドの「格」と、その人の「格」とのマッチングですね。
おおさわ:一生もののジュエリー探しって、結局はそういうことなんだと思います。
ダミアーニ 銀座タワー
1階には最新モデルを中心としたジュエリー、2階にはブライダル、そして3階にはマスターピースやハイジュエリーを展示。オフィスも含めて全9フロアの「ダミアーニ 銀座タワー」は、世界中のダミアーニブティックの中でも最大規模の店舗。東京都中央区銀座7-8-8
電話03-5537-3336
営業時間 11時30分~19時30分
ダミアーニhttps://www.damiani.com/ja_jp/