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米倉涼子さんの「気になる医学」。高尾美穂先生に聞く、女性ホルモンとともに変化するライフステージ

2023.06.15

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「病気を経験したことで病と向き合う人々のつらさを実感しました」── 米倉さん

米倉涼子さん

「今日、8か月ぶりにピラティスへ行ってきたんです。しばらくは調子が悪すぎて真っ直ぐ歩くのも大変だったのですが、少しずつ回復に向かっているのがすごく嬉しい」と笑顔。ジャケット5万9400円 ブラウス4万9500円 パンツ3万800円 靴4万1800円/すべてリビアナコンティ(グルッポタナカ) ピアス3万800円リング2万7500円/ともにデストレー(イザ)

人生100年時代の後半を心身健やかに過ごすために

米倉 ホットフラッシュやイライラ、うつ状態などをよく聞きますが、ほかにどういった症状が多いのですか?

高尾 個人差が大きいのですが、肩凝りや腰痛、不眠、手足の冷え......。更年期症状は体に現れる症状とメンタルに現れる症状に大別できますが、全部で300種類くらいあるんです。

米倉 そんなに! 更年期症状とうつの関連はどのようなことなのでしょう?


高尾 更年期症状・障害の一つに、うつ状態も挙げられます。でも、ホルモンの変動によるメンタル不調でうつ症状になっているのか、ホルモンに関係なくうつ病を発症しているのかは、分けて考えなければなりません。

ほかにどのような症状があるのか複合的に考えてのアプローチになりますが、ホルモンの変動から来ている症状なら、ホルモンを補充して底上げすることで効果が出やすいんです。更年期に突入すると、エストロゲンの分泌が一気になくなるイメージを持たれることも多いのですが、そうではなくアップダウンしながら分泌の平均値が落ちていく。この揺らぎがしんどいわけです。

米倉 エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌が減っていくことで、体、心、外見にさまざまな変化が生じるんですね。肌や髪、太りやすさにも影響があると聞きます。

高尾 おっしゃるとおり。そして、閉経後には更年期症状とまた別の課題が出てきます。更年期前の女性が同世代の男性に比べて生活習慣病にかかりにくいのは、エストロゲンに守られてきたからなんです。

人生100年時代といわれますが、骨、関節、筋肉、肌などにも働いてくれていたエストロゲンの恩恵なしに、閉経後の50年を生きていかなければならないわけです。

米倉 高尾先生、更年期をなんとか避けて通れないものでしょうか(苦笑)。

高尾 更年期は必ず来る。誰もが通る道なんです(笑)。

米倉 私たち同世代だと思いますが、高尾先生のお元気の秘訣は何ですか?

高尾 まずは、いろいろなことが起きても「仕方ない部分もあるよね」と前向きに開き直れる性格でしょうか。

「すべての女性によりよい未来を、という思いで進んだ産婦人科医の道」── 高尾先生

高尾先生

2003年からヨガを始め、指導者の資格を取得。Gyne Yoga(ギネヨガ)を主宰する高尾先生にとってヨガは「歯磨きと一緒です(笑)。毎日やらないと気持ち悪くて」。毎日体と向き合う時間を持つことで小さな変化にも気がつくといいます。

米倉 更年期症状と性格に、関連性はありますか?

高尾 ありますね。真面目で何ごとにも一所懸命、家族や親、周囲の人々のために尽くす自己犠牲型のかたは、更年期症状が強く出がちです。

開き直れる私の性格もさることながら、備えておこうと4年ほど前から摂取している大豆イソフラボンのサプリの効果もあるかもしれません。大豆イソフラボンの中の「ダイゼイン」という成分が、腸内細菌によって分解・代謝され「エクオール」という成分になって、細胞のエストロゲン受容体に入り込むんです。

米倉 そのサプリ、気になります!

高尾 卵巣機能が働いているうちは必要ないですが、揺らぎの時期に入ったかたは少し楽になるかと。大豆イソフラボンを含む、低脂肪で良質なたんぱく源である大豆製品を食べると、腸内でダイゼインがエクオールに変換されて体内でエストロゲンに似た働きをする効果が期待できるので、バランスよく毎日召し上がるのがおすすめです。

ただ腸内でエクオールを作れるかは個人差が大きく、日本人では約半数との報告もあります。市販の尿検査キットでわかるので、作れない場合はサプリ摂取を検討してもいいと思います。

米倉 ほかに心がけていらっしゃることはありますか?

高尾 まずは睡眠時間の確保ですね。7時間半は寝ることが目標です。

米倉 私、「スリープサイクル」のアプリを使っています。

高尾 私もです。睡眠パターンを記録して眠りが浅くなるタイミングで起こしてくれるし、眠りへの意識が高まりますよね。そして運動もやはり大切。更年期の不調に多い肩凝りや腰痛、頭痛、不眠といったフィジカル的な悩みは運動することで改善されることもあります。

更年期のうつ症状は運動の頻度が高いほうがなりにくいこともわかっています。あと、食事のときに汁ものやたんぱく質から先に食べるように心がけると、血糖値の急激な変動を抑えることができます。

動く、食べる、休むといった生活の健康3要素、このバランスが正三角形であることが望ましいのですが、10代、20代の頃のようにたくさん運動して大量に食べ、長時間眠る必要はなくなってくるんです。年齢が上がるとともに、正三角形が小さくなっていくイメージでしょうか。

撮影/鍋島徳恭 スタイリング/野村昌司(米倉さん) ヘア&メイク/奥原清一(米倉さん) 取材・文/小松庸子

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