7月の過ごし方、養生の知恵
文・久保奈穂実(くぼ・なおみ)夏は体に熱や湿気をため込まないために、適度に汗をかくことが大切です。冷房のきいた室内で過ごしてばかりいると汗をかけません。
最近は猛暑で昼間は暑さがひどいので、涼しさが残る午前中に屋外で少し歩くと、適度に汗をかけます。
入浴もシャワーだけで済ませず、ときどき湯船に浸かってじんわり汗をかきましょう。かき過ぎると、汗と共に気が流れ出て疲れてしまうので、適度にしましょう。
・暑いときはアイスより寒天
暑い~暑い~って、アイスばっかり食べていませんか? アイスには体の熱を冷ます働きはなく、お腹は冷えるのに、体にこもった熱はそのままです。おまけに砂糖も乳脂肪もたっぷりなので、湿をため込み、体は重だるになる一方。
代わりにおすすめしたいのが寒天。寒天は海藻からできていて、体にこもった熱を、スーッと冷ましてくれます。ゼリーは湿をため込むけれど、寒天は排出してくれます。
おすすめレシピは、「ピングレ寒天」。ピンクグレープフルーツも寒性食材なので、常温で食べてもスッキリと熱を取ってくれます。
【ピングレ寒天】
1. 皮をむきひと口大にしたピンクグレープフルーツを型に入れる。
2. 鍋に水500㏄と粉寒天4gを入れて火にかけ、混ぜながら溶かす。沸騰したら弱火で2分煮る。
3. 砂糖大さじ4、レモン果汁大さじ1を加え、(1)の型に流し入れ冷蔵庫で固める。常温でも固まる。砂糖の代わりにはちみつでもOK。※冷えているときやお腹がゆるいときは控えめに。
・カサカサ唇は胃腸の不調のサイン
唇が年中カサカサで、夏でもリップが手放せないというあなた、胃腸が弱っていませんか?
中医学では、唇は胃腸の変調が現れる場所と考えます。胃腸に負担のかかる甘いもの、揚げもの、辛いもの、夏は特に冷たいもののとりすぎに注意したいですね。
唇はほかの皮膚と違って皮脂腺がないので乾燥しやすい部分。その分、体内の乾燥が進むと早く症状として現れます。サインに気づいたら山いもがおすすめ。すりおろして味噌汁に入れるなど、胃腸に優しい食べ方で、ぷるぷる唇が戻ってきますよ。
・ぽちゃぽちゃ水太りに「とうもろこしのヒゲ茶」
色白で疲れやすく汗っかき。そんなに食べてないのになぜか体重は増えてしまう。それは胃腸が弱くて、余分な水を排出する力が弱いから。そんなぽちゃぽちゃ水太りちゃんは、「とうもろこしのヒゲ茶」で水分補給を。
とうもろこしのヒゲは立派な生薬。その名も「南蛮毛(なんばんげ)」。余分な水分の排出を促し、汗や尿の出過ぎを抑える効果があるので、水太りタイプにぴったりなのです。
胃腸を元気にすることも大事なので、甘いもの、脂っこいもの、味の濃いもの、アルコールは控えめに。
【とうもろこしのヒゲ茶】
1. とうもろこしのヒゲを捨てずに取っておき、ザルで1~2日乾かしてから3cmの長さに切る。
2. フライパンで茶色くなるまで炒る。
3. (2)をティーポットに入れてお湯を注げば、とうもろこしのヒゲ茶の完成。
・気を使い過ぎていませんか?
疲れがなかなか取れないという人の共通点は、優しい、真面目、頑張り屋さんの3つで、とにかく気を使い過ぎだということ。気を使うというのは、文字通り「気」(エネルギー)を使ってしまうわけですから、疲れてしまうのは当然です。
疲れたときは人に気を使いすぎず、「自分に優しく、自分を大切に」を心がけて、まずは元気の貯金を。余るくらい元気が貯まったら、人に気を使えばいいのです。
元気で笑顔の人に気を使ってもらえたほうが、きっと相手も気持ちいいはず。