EDITOR’S REPORT 編集部員が街に溢れる情報の中から読者の皆さまに役立つものを厳選して紹介します。新しくオープンしたレストランやショップ、アイディアが光る新商品など、日々の暮らしをより楽しく、豊かにしてくれる情報をお届けします。
記事一覧はこちら>> 「自然と農と食」をコンセプトに、農場やレストラン、宿泊施設などをもつ千葉県木更津市のサステナブルパーク「クルックフィールズ」内に、新施設「地中図書館」がオープン。
約9万坪の広大な敷地内には、昨年宿泊施設もオープンし話題を集めた。そこは地中の名のとおり、生い茂る草木の中にひっそりと佇む異空間。「大地はあらゆる命の源、その大地に居させてもらう感覚を表現しました」と設計した中村拓志さんは語ります。
すり鉢状の地形の谷間に現れるアプローチ。大地に潜り込むように入口を進むと、円形回廊の壁全体に本棚があり、洞窟の中を歩くような感覚で本との出会いが訪れます。
テーマごとに並べられた本棚。選書家・川上洋平さんが選書を手がけた。蔵書数は現在約3000冊。自然や農業に関するものを中心に、詩や哲学、歴史、宗教、科学や経済などがラインナップ。
幻想的な光が差し込む円形のホールでは読み聞かせも行われます。
ホールを象徴する美しい天井は28本の梁が互いに支え合うレシプロカル構造を採用。サステナブルを実践するファームのコンセプトを体現。棚の中には、隠れ家のような読書スペースが。本を愛する人も、しばらく遠ざかっていた人も。非日常の空間で、言葉がしみじみと体に沁みわたるような特別な時間を、ぜひ味わってみてください。
Information
地中図書館
千葉県木更津市矢那2503
- クルックフィールズメンバーシップ加入者のみの事前予約制(宿泊施設利用者は17時以降も入館可能)
『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。