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伝統工芸

榊 せい子さんと考えた 山中漆器の蒔絵帯留め

2018.03.15

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未来へ伝え継ぎたい蒔絵の技を、モダンなアクセサリーに託して


山中漆器 同系色の帯締め

泥大島など濃い色味のきものには、同系色の帯締めを合わせてシックに引き締めて。

山中漆器の歴史は、安土桃山時代に越前国から、現在の加賀市山中温泉に程近い地域に木地師の集団が移り住んできたことから始まります。山中温泉を訪れた湯治客に向けた土産物として生産が盛んになるとともに、江戸時代には金沢や京都などの漆器の名産地から塗りや蒔絵の技術を導入し、その表現の幅を広げてきました。


大下香征さんの家である「大下香仙工房」は、初代大下雪香が金沢で会得した加賀蒔絵の技を故郷・山中に広めるべく、1894年に興りました。以来、華やかで緻密な蒔絵を得意とし、装飾性の高い棗などの茶道具や工芸品を手がけてきました。

そんななか、5代目である大下香征さんが、“アクセサリー製作”という新たな道に舵を切ったのは12年前のこと。

「蒔絵の美しさの根幹は、表面に現れる質感やディテールにあります。茶道人口が減少している今、蒔絵を施す“キャンバス”を茶道具からアクセサリーに移すことで、蒔絵や漆器になじみのない若い世代にもその魅力を届けられると思いました」。

今では貴石や琥珀など、従来蒔絵を施す素材として使われてこなかったものも採り入れている大下さん。蒔絵の新たな可能性を家族一丸となって探求し続けています。

大下さんが提案するアクセサリーのコレクション「Classic Ko」

大下さんが提案するアクセサリーのコレクション「Classic Ko」は、初代から受け継ぐ雅号「香」にちなんだ名前。工芸品のごとき華やかなものからさりげないデザインのものまで、工房のスタッフが一丸となって試行錯誤を重ねる。

極細の筆を使って漆を塗り、乾燥させては磨く工程を何度も繰り返す。

極細の筆を使って漆を塗り、乾燥させては磨く工程を何度も繰り返す。粘度の高い漆は扱いが難しく、こちらまで息を止めてしまうほどの緊張を感じる。

今回ご協力いただいたかた




大下香仙工房 大下香征さん
4代目大下宗香の婿養子として加賀に根を下ろして20年、蒔絵の技術を伝え残す道を切り拓き続けている。


石川県加賀市二子塚町103-2
0761(77)5250
メール/info@classic-ko.net

家庭画報×山中漆器 蒔絵帯留めのご購入方法

家庭画報×山中漆器 蒔絵帯留め

「蒔絵帯留め」長径約3.5×短径約2.5センチ 3万4000円(税・送料別)。帯留め金具(銀製ロジウムメッキ)は三分紐サイズです。購入をご希望のかたは、直接「大下香仙工房」にご注文ください。ご注文は、氏名・住所・電話番号を明記のうえ、FAXかメールにてお願いいたします。

FAX/0761(77)5450
メール/info@classic-ko.net

※ご注文が確定してから製作するため、商品のお届けにはお時間がかかります。また、商品は一つ一つ手作りのため、仕上がりが写真とは少々異なる場合があります。
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/本誌・西山 航 阿部 浩(中段2点、人物)

「家庭画報」2018年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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