趣向を凝らした桜の帯を主役にした着回し術
艶やかな釜糸で、元禄花見踊の様相をびっしりと丁寧に刺繍した名古屋帯は、叔母から譲られた一本。白地をベースにしている点、そして桜の花を写実的に描いたものではないからこそ、帯揚げや帯締めなどの小物使いで印象が七変化する万能帯。昨年の二本松市の桜祭りに持って行き、ヘビーローテーションで着回していました(笑)。
観劇の際には、上品な蛍ぼかしの小紋に合わせて。前帯は、誰が袖の刺繍が施されています。パールをあしらった羅織りのクラッチバッグは母から譲られたものです。
薄紅色と柳色に左右染め分けられている長襦袢の反物を、片袖だけ交互に仕立てることで、袖口と振りの部分から左右で違う色が香ります。自己満足かもしれませんが、こんな密かなお洒落もきものの醍醐味ですね。