石川・富山・ 福井「北陸」三都物語 第21回(全23回) 2024年に新幹線でつながる北陸3県は、その地の文化を発信する新たなスポットが次々と誕生し、今、最も注目を集めるエリアです。アート、伝統工芸、日本酒や美食処など、魅力溢れる夏の北陸をご案内します。
前回の記事はこちら>> 光風湯圃「べにや」(あわら市)
庭に面した窓を開け放ち、旅の疲れを癒やしつつアペリティフを。こちらは10畳のダイニングを備えた準特別室「音羽」。和室でもテーブルでの食事が可能。老舗の伝統に時代のニーズを加味。進化するくつろぎの湯宿
あわら温泉を代表する老舗旅館「べにや」焼失──衝撃のニュースが伝えられたのは2018年のことでした。悲劇から3年。「光風湯圃(こうふうゆでん)べにや」と名前も新たに再スタートを切り、変わらぬおもてなしに、進化したスタイルが加わりました。
すべて間取りや仕上げが異なる全17室の平屋建て。どの部屋にも光が溢れ、庭から心地よい風が吹き抜けるつくりになっています。まさに「光」と「風」。「湯」は4本の自家源泉から毎分70リットルの温泉が湧出。全室に備えられた温泉風呂でもゆったりくつろぐことができます。
そして「圃」に込められた思いは、「お休みをいただいている間、地元の生産者の方々との絆がより深まり、改めてあわらという土地の豊かさ、人の温かさを伝えたいと思いました」と、女将の奥村智代さんは言います。
豊富な山の幸、海の幸に加え、米や旬の野菜など地の食材を使った料理を、朝夕ともに部屋でいただけるのも、新生「べにや」の新たなこだわりです。
平飼いの卵や、地元の農家から届く新鮮な野菜、手作り豆腐に釜炊きのご飯。丹誠込めて作られた上質な食材ならではのパワーを部屋でいただく、宿自慢の「健康朝ごはん」。若狭牛のテールスープに新鮮なあわびをくぐらせていただく絶品しゃぶしゃぶ(5月中旬から10月まで)。地元の生産者から届く新鮮な食材が食の主役に。女性用の大浴場「光の湯」。70度の源泉かけ流しのお湯が楽しめる。代表の奥村隆司さんと女将の智代さん。 Information
光風湯圃「べにや」
福井県あわら市温泉4-510
- 「旬の懐石料理(あわびしゃぶ懐石)」は1室2名利用時で1泊2食付き1名4万6200円~ ご紹介した「音羽」は同6万8200円~ 全17室 IN15時/OUT11時
撮影/阿部 浩 取材・文/河合映江 協力/福井県 料理内容などは諸般の事情により変更になることがあります。掲載の料金には別途サービス料等がかかる場合があります。
『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。