中森じゅあん「日本算命学会」代表。フリーランスのコピーライターとして活躍する傍ら、30代から10年間、呉家算命学第13代宗家の故・高尾義政氏の直門下第1期生として薫陶を受け、孔位を授与される。40代から算命学カウンセリングと広告業の二足のわらじで活動。心理療法セラピスト、個人鑑定、講演、ワークショップ、執筆など幅広く活動。最新刊『中森じゅあんの算命学』(徳間書店)ほか著書多数。公式ホームページ:http://www.juan.jp私と算命学の出会い
33歳のとき、突然医師から夫の失明宣告を聞いた私は、歩き始めたばかりの息子を抱えて不安の底にいました。そのとき、知人のすすめで訪れたのが、算命学の大家・文学博士、故高尾義政氏のもとでした。
きもの姿で端座する弱冠30歳の氏の言葉には驚くばかり。まさに運命の出会いでした。生年月日だけでここまでわかるものなのか?と感じ入った私は、このメカニズムと学問をぜひとも深く学びたいと思いました。
「弟子を取る気はありません」というお答えにもあきらめずに待ち続け、入門が叶ったときの喜びは今でも忘れられません。学べば学ぶほど、算命学の知恵と教えは深く広く豊かなものだということを知りました。
学び続けたのち、師から告げられた「長い間に学んできたことを人々のために役立てなさい」という言葉に押されて鑑定を始めて、早40年。新たな人との出会いの不思議はまだ続く日々です。
中国最古の占星学「算命学」とは?
算命学は中国四千年の英知である陰陽五行思想を基礎に、戦国時代に入って戦略の学者として知られる鬼谷子(きこくし)により創案されました。長い年月にわたり一子相伝で継承されてきた秘伝の帝王学です。日本では、長崎に渡ってきた中国の僧侶、第12代宗家呉清和氏より、私の師である高尾義政氏が16歳から学んだのが始まりです。
算命学は、宇宙と地球の法則をつぶさに観察して独自の暦をつくり、生年月日に秘められた各人の内なる世界をつまびらかにして、その人の本質を現実的なものとして知り、人生で活用する方法です。そのため、占いの域を超えて役立つ「人間探究」の学問とされているわけです。
主精でわかるあなたの宝物
この特集では、算命学で全宿命を読み解く際の主人公である「主精」を取り上げて説明しました。「主精」は、あなたが地球に誕生した瞬間に注ぎ込まれた自然界のエネルギーを表したものです。
自然にあるものはすべて欠かせません。算命学の暦は、あなたを自然界の森羅万象に置き換えたら、何に当たるのかがすぐにわかるように、独自の名称で10タイプ別(樹・花・陽・灯・山・地・鉄・宝・海・雨)に表しています。
あなたの主精から(次ページの表で割り出すことができます)、自然界が教える「本当の自分」がわかったら、それをあなただけの一生の宝物として、愛して新しい目と心で見てみてください。
これからの人生をより豊かにするには
人生には、喜怒哀楽、光と影、プラスとマイナスなどさまざまなことがあります。自然界も私たち人間も生あるものはすべて、動き、変化し、体験しながら成長していくもの。それを素直にあるがままに受け入れていくプロセスを十分に味わうことが大切です。
算命学は「心の平安」を第一にしますが、それを手に入れるためには、心、身体、教養、経済、社会性の5つのバランスが大事。そのバランスをとるためにも、まず「本当の自分」を知ることが基本なのです。
算命学では「運命をよりよくするには、自分の本来の性格を知ることだ」といい、性格の理解を重要視します。それほど大切な性格を客観的に知る手がかりが、「主精」を知ることなのです。
自然界は人間にとってお手本です。この機会にご自分の主精の特質を積極的に発揮していってください。その先に、これからの人生を豊かにする多彩な可能性が見えてくるはずです。