石川・富山・ 福井「北陸」三都物語 第22回(全23回) 2024年に新幹線でつながる北陸3県は、その地の文化を発信する新たなスポットが次々と誕生し、今、最も注目を集めるエリアです。アート、伝統工芸、日本酒や美食処など、魅力溢れる夏の北陸をご案内します。
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馳走えん
手前のお椀は、若狭ぐじ、吉川茄子翡翠煮。奥は、北潟湖産の天然うなぎに蓮根蒸し。いずれも1万5000円~のコース料理で供される一品。実家の鮮魚店から直送。季節の地魚を洗練された割烹で
カウンターの向こうで腕をふるうのは、オーナー板長の小松辰平さん。実家が越前町で鮮魚店を営んでいたことが、料理人の道を志すきっかけになったといいます。
「東京の料亭での修業時代、福井に帰るたび、子どもの頃から親しんでいた魚が東京にはないことに改めて思い至りました。種類も豊富で、鮮度もすばらしい。魚介類も野菜も、福井は良質な食材の宝庫だと思います」
2013年、「馳走えん」を開業。毎日実家から直送される鮮度抜群の魚介類と旬の野菜をふんだんに使った会席料理が評判を呼びます。2021年にはミシュランガイドで一つ星を獲得。冬の蟹だけではない、四季折々の旬の美味をご堪能ください。
丁寧な仕事を間近で眺めながら料理を味わうのも割烹の醍醐味。カウンター席は6席。個室は5部屋。小松さんは、「エシコト」が手がけるオーベルジュの食を担う予定。中心部から車で10分ほど、住宅街に佇む隠れ家のような店。6月に解禁される九頭竜川の鮎が夏の到来を告げる。小ぶりの鮎を塩焼きに。加賀太胡瓜の昆布締めを添えて。 撮影/阿部 浩 取材・文/河合映江 協力/福井県 料理内容などは諸般の事情により変更になることがあります。掲載の料金には別途サービス料等がかかる場合があります。
『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。