石川・富山・ 福井「北陸」三都物語 最終回(全23回) 2024年に新幹線でつながる北陸3県は、その地の文化を発信する新たなスポットが次々と誕生し、今、最も注目を集めるエリアです。アート、伝統工芸、日本酒や美食処など、魅力溢れる夏の北陸をご案内します。
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開花亭 ソウアン
手前はにんじん、長芋、オクラなど夏野菜をミルフィーユ仕立てにした涼やかなひと皿。奥は能登産岩牡蠣のムニエル、白海老の唐揚げをうにソースで。滋味深い日本料理が軽やかにフレンチのような佇まいで登場
エントランスから店内へと足を進めると、まず外の緑と一体化したような開放的な空間に目を奪われます。「開花亭 ソウアン」は、1890年創業の老舗料亭が手がける割烹レストラン。こちらでは、本格懐石をよりカジュアルにいただくことができます。
料理は一見するとモダンなフレンチの趣ですが、あくまでもだしをベースにした日本料理。料理長・畑地久満さんが、確かな技とプレゼンテーションの妙で、正統の和に軽やかな洋の雰囲気をまとわせます。
40代で県内唯一の「現代の名工」にも選ばれた実力派が創造する新感覚の日本料理は、豊富な地酒やワインとのペアリングも、また一興。目にも舌にもより深い感動が広がることでしょう。
若狭牛もも肉を3時間、低温で含め煮。うまみを閉じ込めた驚きの柔らかい食感。肉とトマトをのせた吉川茄子は福井の伝統野菜。料理長自ら産地へと足を運んで、食材を調達する。かつての料亭街の雰囲気を今に残す浜町界隈でひときわ目を引く「ガラスボックス」。建築を手がけたのは隈 研吾氏。伝統の繊維産業を表現した織り柄のモチーフが大胆に配されインテリアには天然石や和紙など、福井の素材が生かされている。 撮影/阿部 浩 取材・文/河合映江 協力/福井県 料理内容などは諸般の事情により変更になることがあります。掲載の料金には別途サービス料等がかかる場合があります。
『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。