たるみ悩みを最短ルートで解決。若さはフェイスラインで決まる 第8回(全11回) 長く続いたマスク生活の影響でクローズアップされているたるみの問題。自分が思っている以上に視線を浴び、見た目年齢を決めているポイントがフェイスラインです。たるみの原因に鋭く切り込んだ化粧品や、施術やサロンケア、姿勢改善からのアプローチなど、フェイスラインに早く“結果”が見えてくる解決策を取材しました。
前回の記事はこちら>> 最も結果の出るたるみ治療
アンチエイジング手術
長年、美容医療の体験取材を続けてきた美容・医療ジャーナリストの海野由利子さんが2022年、フェイスリフト手術を受けました。これまで知られていない手術の実情や改善効果は?海野さん自身のレポートでお届けします。
美容・医療ジャーナリスト海野由利子さんが「フェイスリフト手術」を受けました
美容・医療ジャーナリスト
海野由利子さん編集者を経て1989年フリーに。女性誌を中心に美容・健康・医療企画にかかわり、1998年から黎明期の美容医療の取材・体験を続け、安全性と効果の検証をしている。1959年生まれ。日本抗加齢医学会会員。友人にいわれて気づいた、「やるなら今」のタイミング
美容医療で受けられるたるみ治療は、ここ十数年でヒアルロン酸注入やHIFU(ハイフ)などの照射機器による「切らない」メニューが増加しています。
メスを使う手術は「痛い」「腫れる」「怖い」「ダウンタイムが長い」などの理由でハードルが高いから、という背景があります。確かに、たるみの初期段階から定期的に注入・照射治療を続ければ、その進行にかなりのブレーキをかけることが可能です。美容外科・形成外科系の学会でも発表されていますし、私も取材で何度も体験して実感してきました。
とはいえ、たるみに対して最も改善効果が高いのは手術。学会で多くの医師による症例を拝見し、フェイスリフト手術の技法、医師の考えや美意識が反映された、印象の異なる仕上がりを見て、近い将来、自分も体験してレポートができたらと思ったのです。
照度がほぼ同じ免許証写真はエイジングの経過がわかりやすい。左から◆美容医療が存在しない時代。◆レーザーシミ取りや軽い照射治療を体験。◆目もとにたるみが。サーマクールなど多様な照射・注入治療を体験。◆まぶたのたるみが顕著。翌年眼瞼下垂治療を体験。50代までは目もとのエイジングが顕著。たるみはその後起こる。美容外科界ではたるみが深刻化する前の40〜50代が手術の適齢期といわれていますが、私の場合はフェイスラインのたるみとマリオネットラインが現れたらと考えていました。なぜなら、これらは注入と照射でも大きな改善が難しいから。
自由が丘クリニックの中北先生のカウンセリングを受けたのは2022年の夏。皮膚を引っ張り上げるのではなく、皮下の弾力あるSMAS(スマス)筋膜で引き上げ、皮膚にはテンションをかけず縫合する治療法の提案(下図参照)を受け、2か月後にフェイスリフト手術を全身麻酔で行うことを決めました。
2022年夏の初診時。カウンセリングを受けて手術日の予約を入れたので、すぐに検査を受ける。全身麻酔を行うため、胸部レントゲン撮影、採血、心電図を測定。新型コロナのワクチン接種証明書も提出。採血、レントゲン撮影、心電図検査などを行い、万難を排す姿勢が伝わり安心しましたが、何日かしていったん「冷静」が戻ってきたのです。
あれこれ迷いましたが、友人の言葉で腹が据わりました。「コロナ禍で感染せず、怪我もなく、治療すべき病気もないなら、今なんじゃない? 美容へ投資できるのは幸せなこと」と。確かにいいタイミングだったのです。
フェイスリフト手術はこのように行われます
皮膚を切開して、皮下にある薄い筋膜(SMAS)を引き上げて皮膚や脂肪をリフトアップ。これは、目から下の中~下顔面の中度~重度のたるみに適応するラテラルスマセクトミー法。耳前の皮膚を切開し、紡錘形の部分の筋膜を切除して縫縮。皮膚と筋膜の余剰を切除して切開線で縫合する。皮下の筋膜でしっかり引き上げることで皮膚にテンションがかからず、突っ張った感じにならない。資料提供/自由が丘クリニック7日目に抜糸、10日目に外出。マスクで顔は隠れる
それからは、よりよい結果のためにできる準備をしました。術後しばらくは自分へのケアがしにくいだろうと、歯科、髪のカット、そして肌再生をサポートする美容ドリンク、スペシャルなスキンケアなど。
そして手術は中北先生の執刀、ベテランの麻酔科医やナースさんたちのおかげで無事終わり、一泊入院。3日後に通院して包帯を外し、7日後には抜糸。内出血と赤みは半月ほどメイクでカバーが必要でしたが、腫れはそれほどなく、マスクで顔は隠れますし、10日後からは外出しました。
重度のたるみではないため写真ではわかりにくいが、フェイスラインとあご下のもたつきが減少、ほうれい線が短くなり、マリオネットラインが消えている。斜め45度と横顔でわかりやすい。丁寧で不安感のない、美しい手術で、ある程度の時を巻き戻していただきました。ここからエイジングは進んでいくので、今後も進化していく美容法や治療を新たな気持ちで体験していけそうです。
Information
自由が丘クリニック
東京都目黒区八雲3-12-10 パークヴィラ2階~5階
- 多くのベテラン医師、スタッフが揃う美の総合クリニック 美容外科、美容皮膚科、美容内科、さらにエステなど多分野で幅広い治療が受けられ、各科の連携も密なチーム医療を実現。安心安全な美容医療を提供する。医師向けのセミナーや勉強会なども頻繁に行われている。 料金:フェイスリフト(ラテラルスマセクトミー法)198万円、フェイスリフト術後ケア(ダーマペン×高濃度W-PRP高周波温熱療法2回)27万600円、初診料5500円・検査料別 ※完全予約制
〔特集〕たるみ悩みを最短ルートで解決 若さはフェイスラインで決まる(全11回)
撮影/高嶋佳代(取材)、国井美奈子 ヘア&メイク/木下庸子〈PlantOpal〉 イラスト/にれいさちこ 取材・文/海野由利子
『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。