夜更かしの原因になるスマホ。ブルーライトの光刺激はメラトニンの分泌を低下させ、睡眠障害を引き起こしやすくする。短時間睡眠によりホルモンの分泌が乱れ食欲が増進される
ところで、睡眠時間が短い人はなぜ太りやすいのでしょう。
「その要因として食欲を刺激するホルモンが関係していると考えられています」と池田先生はいいます。
米国で行われた研究では、10時間睡眠の人を強制的に2日間だけ4時間睡眠にしたところ、食欲を抑制するホルモンであるレプチンの分泌量が減り、食欲を増進させるホルモンであるグレリンの分泌量が増えていました。つまり、睡眠時間が短くなるとダブル作用で食欲が増進されていたのです。
一方、英国の研究では睡眠時間を30分増やすだけで食欲が抑制され、1日の糖質摂取量が9.6グラム減ったという報告もあります。
「減量のみならず、血糖値が高い人や糖尿病の人にも睡眠時間を増やすことは有効なのです」(池田先生)。
この機会に睡眠時間を見直してみませんか。
イラスト/平松昭子 取材・文/渡辺千鶴
『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。