【作り方】
1:牛もも肉は4cm角に切り、肉の重量の0.8%の塩と、胡椒をまんべんなく振る。
2:鍋にオリーブオイルを入れて、しっかりと熱したら1の牛肉を焼く。全面に焼き色がついたら取り出し、同じ鍋にバターを入れる。鍋底をこそげながら溶かしたら、玉ねぎを加えて軽く塩を振り、茶色くなるまでしっかりと炒めてバットに取り出す。
3:2の鍋にカソナードを入れ、残った油となじませながら加熱し、キャラメリゼする(写真)。カソナードがなければ、きび砂糖やてんさい糖などの茶色い砂糖でよい。
4:ある程度、焦げて色づいてきたら、しばらく触れずに加熱し、しっかりとキャラメリゼできたら火を止めて白ワインヴィネガーを入れ(写真上)、火入れの進行を止める。ホイッパーでよく溶かし込んだらマスタードを加えて混ぜ(写真下)、再び中火にかける。ヴィネガーとマスタードで、酸をプラスして引き締めるのが目的。
5:4の鍋に2の玉ねぎを戻し入れて全体を合わせたら、薄力粉を振り入れてしっかりと炒めて粉気をとばし(写真)、濃度をつける。牛肉も戻し入れて、鍋底をこそげるようにして全体を絡める。
6:5に鶏のフォンを注いでのばし、塩少々をする。ひと煮立ちしたら白ビールを注いで混ぜる(写真)。沸騰したらアクを取り除いてタイム、ローリエを入れ、蓋をして180℃に予熱したオーブンで1時間半、加熱する。
7:1時間半後。牛肉も柔らかくなり、玉ねぎの旨味でとろとろに煮えている。タイムとローリエは取り除く。そのままだと、ややぼってりと野暮ったい印象なので、白ワインヴィネガーとマスタード(ともに分量外)を、はじめに入れたのと同量程度加えて混ぜ(写真)、フレッシュ感を出す。塩で味を調え、胡椒を挽く。
8:じゃがいもをゆでてバターソテーしたもの(分量外) と煮込みを皿に盛り合わせ、パセリのみじん切り(分量外)を振って仕上げる。
代々著名なシェフを輩出してきた老舗フレンチ「銀座レカン」。本書は6代目料理長・高良康之氏(2017年9月から料理長は渡邉幸司氏)による「基本のフレンチ」のレシピブックです。素材も身近なシンプルなものを用いながら、伝統に培われたフレンチの基礎をひと皿ひと皿、丁寧に作り、味付けのコツやテクニックの極意を語ります。工程写真も多数。誌上スーパーシェフレッスンという一冊でまさに保存版。
高良康之(著)
定価:本体1,800円+税