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【ゆらぎ世代の夏養生】漢方の知恵で“気・血・水”を巡らせて夏冷えを改善

2023.08.02

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体を温めて不調を整える「冷えを改善する夏の薬膳」 第1回(全9回) 女性の冷えた体に優しくて、心も温まり、家庭のキッチンで作れるおいしい夏の薬膳料理を教えてください──。編集部の“わがままな”要望に、本草研究家の秋山あかねさんと広東料理の大崎 竜料理長が応えてくださいました。漢方的養生の考え方とともに和漢素材をたっぷり使ったレシピをお届けします。

本草閣・秋山あかねさんに習う ゆらぎ世代の「夏養生」
漢方の知恵で“気・血・水”を巡らせて夏冷えを改善します


秋山あかねさん

「本草閣」9代目当主・薬剤師
秋山あかねさん


本草研究家。医学薬学のみならず東洋の深淵を伝える志を持ち、幅広く活躍する。

温度差などが発汗を妨げ、冷えと不調をもたらす


猛暑・酷暑に加え、効きすぎた冷房、室内外の温度差、冷たい飲み物の誘惑──。ただでさえ代謝が落ち、ホルモンバランスの乱れで調子を崩しがちな更年期世代にとって、夏はまさに試練。冷えから不眠、疲労、下痢、むくみ、食欲不振、うつなど多くの不調を生じ、秋冬まで持ち越す女性のなんと多いことでしょう。

その要因を「冷気や温度差、更年期の自律神経の乱れが汗を出にくくしていること」と「本草閣」当主の秋山あかねさんは説明します。

気・血・水

「汗をかくと新陳代謝が促され、体のすみずみに『気・血・水』(体を構成する基本物質)が滞りなく巡ります。それによって余分な物が排出され、寒熱のバランスが整い、適度な体温調節が行われる──。この循環が夏の元気の源なのです」

漢方では、季節や環境に応じて暮らすことを健康の基本と考えます。季節や体質に合った食べ物で、「気・血・水」を巡らせ、寒熱のバランスをとる薬膳は、暑すぎたり冷えすぎたり、胃腸をこわしやすい夏にぜひ実行したい養生法だといえます。


栄養満点の旬の食材とバランスを整える食材を


まず取り入れたいのは栄養豊富な旬の食材。たとえば夏野菜の冬瓜や青パパイヤには、体内に溜まった熱と水を外に出す働きがあります。

「それだけだと体を冷やしてしまいますが、火を通し、生姜や紹興酒や体を温める性質の和漢素材を組み合わせると、栄養があって冷えも解消する料理になります」

もう一つは体に合う食材や和漢素材。体質を「気・血・水」の滞りや過不足でとらえる漢方独自の理論で分類し(8/3公開予定の記事で紹介)、これを解消する性質の食材・素材でバランスを整えるのです。

「和漢素材は冷えだけでなく、潤い不足やむくみ、イライラの軽減など女性に嬉しい働きを持つものが豊富。体調に合わせて加減し、自分仕様にグレードアップできるのも薬膳の魅力です」。

漢方の知恵を生かした薬膳で、夏を“おいしく”乗りきりましょう。

〔特集〕体を温めて不調を整える 「冷えを改善する夏の薬膳」 (全9回)

撮影/本誌・西山 航 スタイリング/横瀬多美保 フラワーアレンジメント/恒石小百合 ヘア&メイク/遠藤芹菜 取材・文/浅原須美

『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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