台湾、開運旅へ 第10回(全19回) 風水が生活の基盤にある台湾の人々にとって、開運スポットの寺廟で祈り、運気がいい場所を訪れるのは誰もが行う日常の一環です。風水師や台湾マダムに聞いた台湾、開運旅へご案内します。
前回の記事はこちら>> おいしく食べて、心と体を整える「開運メニュー」
〔2020年以降にオープンした、今、台湾マダムが注目するレストラン〕
台湾ではお店を開く際、ご縁のある風水師さんに立地や内観の相談をすることから始めます。運気のいい場所にあり、パワーチャージできるメニューが話題のお店をご紹介します。
玖尹(ジョウイー)
2020年〜
オーナーの顔瓊姿さん(右)と風水師・何淑玲さん。レストランの建材には顔さんと相性のいいチタン、ラッキーカラーの緑色などが多く使われている。台湾5大家族のオーナーが営む、創作広東料理をいただく開運レストラン
2020年の開店当時、モダンな外観と驚きの味わいに、台湾で「空前絶後の店誕生!」と評判になったのが、ここ「玖尹(ジョウイー)」。
それもそのはず、オーナーは台湾5大家族の一つ、基隆(キールン)顔家の血筋を受け継ぐ顔瓊姿(イェンチォンズー)さん。ご主人や息子さんとともに、「老爺酒店(ロイヤルホテル)」経営に参画している顔さんが、満を持して始めた新広東料理の店なのです。
ツヤツヤの美肌に溢れるエネルギー。40代のようにも見えますが、実は成人した3人の息子さんのお母さま。ご子息たちの成人までは仕事より家庭に注力してきたそうです。
今、軽やかに第二の人生のスタートを切った顔さんをサポートしている心強い存在が、風水師の何淑玲(ハーシューリン)さん。開店にあたり、場所や建材、家具の配置なども細かく相談に乗り、アドバイスしてきました。その結果、「太陽の光が差し込み、いい流れが循環する、希望を与えるレストラン」ができあがったといいます。
目も舌も肥えた顔さんの政財界の知人友人を相手に、高い評価を得ているのは料理長の李冠儀(リーグァンイー)さん(右)。その下で点心を作るのは李國聖(リーグォシェン)さんです。
(右から)料理長の李冠儀さんと、点心担当の李國聖さん。中華圏で縁起がいいとされる赤の食材を要所要所に使い、素材の味を大切にプレゼンテーションで魅せるのが李料理長流。供されるごとに歓声が起こる開運レストラン、運気が上がること間違いなしです。
台湾の雑誌「台湾Tiger」(2012年)の表紙を飾る顔さん。左・「オイスターと海老の湯葉巻き揚げ」。NTD328。食感が楽しい一皿。右・「皮蛋(ピータン)と漬け込み生姜とキクラゲのあえもの」。NTD468。うずらの卵を使った皮蛋が滋味深い冷菜。バーカウンター、ミニライブステージがあり、プロジェクションマッピングが流れる地下1階。1階から外と階下を見て。全4階建てのビルの2階と3階はキッチンにあて、建築費3億2000万円以上とこだわりのつまった造り。店内の開運コーナー。「干支のオブジェを中心に、磁場を作り出しています」と何さん。 Information
玖尹(ジョウイー)
台北市中山區伊通街39號
- コースなし。昼:NTD1200〜、夜:NTD1800〜
撮影/阿部 浩 コーディネート/TOP TAIWAN 構成・取材・文/小松庸子 取材協力/台湾観光局 ●NTD1=約4.5円(2023年6月8日現在)。掲載した商品やサービス等の価格は2023年6月8日現在のものです。価格には注意書きがない限り、税金が10%加算されます。●台湾への国際電話は、国番号「886」をつけ、最初の「0」を外しておかけください。●お店は臨時休業の場合もあります。営業日を確認のうえ訪問されることをおすすめします。
『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。