『家庭画報』4月号のファッション特集「今、輝く男性が着るパリ&ミラノコレクション」でトリを飾ってくださった俳優の中井貴一さん。
穏やかに微笑みがならスタジオに現れた中井さんは、すっと伸びた背筋に白い革のロングコートが映え、とってもスマートでダンディ。インタビューからは冷静なまなざしと熱いハートをお持ちの方であることが伝わりました。
京都出身のご両親の影響もあってか、ときに関西弁交じりで語ってくださったお話の中から、本誌には収録しきれなかったものをご紹介します。
黒のパーカはコットンとナイロンの混紡で張りのある素材。後ろ下がりのたっぷりとしたシルエットです。スポーツテイストの素材とフォルムは、今シーズンの「ランバン」らしい特徴。中井さん曰く、「普段のスタイルに近いので、しっくりきます」。パーカ13万9000円 パンツ10万5000円 靴7万1000円/ すべてランバン(ランバン ジャパン) 眼鏡2万9000円/オリバーピープルズ(オリバーピープルズ東京ギャラリー)笑福亭鶴瓶さんは「古い連れ」
インタビューの冒頭、3日前に撮影した鶴瓶さんが「中井貴一よりかっこよく撮ってな!」と叫んでいたとお伝えすると、中井さんは相好を崩して、おふたりの交友録を話し始めました。
「古い連れなんですよ。『いまどき銀座物語 ぼんぼん』(1989年放送のテレビドラマ)でご一緒したのが最初ですが、当時のべーさんはほんまに自分のとこしか台本を読まない。
8話目くらいで僕のところにきて、“なぁ貴一さん、長塚京三さん、俺の兄さんやねんな”って。びっくりして、何やと思ってたん?って聞いたら、“知ってる人やなと思ってた”っていうんです。その日のセリフにお兄さんと書いてあって初めて気づいたと(笑)。
そのドラマが終わりに近づいた頃のある日、べーさんが相米慎二監督の映画『東京上空いらっしゃいませ』の台本を持っていたんです。それで“なんか映画の話がきてるから読んでんねん”というので、“僕それやるで”といったら、“ほなやるわ”って。それでまたすぐご一緒したんです。
べーさんとは前世で何かがあったんだと思いますね。あるとき、テレビでべーさんが歯医者の話をしていたんです。“この間、歯がめっちゃ痛くなってな、日曜日でどこに電話しても開いてへんかったんやけど、1軒だけ開いてるとこがあって。それでそこ行って治してもろうたんやけど、ほんまええ先生やった”って。その先生というのが僕の学生時代の親友だったんですよ。ほかにもいろいろ妙な縁があって、お互いに縁があるなぁといい合っています」