体を温めて不調を整える「冷えを改善する夏の薬膳」 第5回(全9回) 女性の冷えた体に優しくて、心も温まり、家庭のキッチンで作れるおいしい夏の薬膳料理を教えてください──。編集部の“わがままな”要望に、本草研究家の秋山あかねさんと広東料理の大崎 竜料理長が応えてくださいました。漢方的養生の考え方とともに和漢素材をたっぷり使ったレシピをお届けします。
前回の記事はこちら>> ヘイフンテラス・大崎 竜料理長のスペシャル薬膳レシピ
広東料理の名店・ヘイフンテラスの大崎料理長が夏の冷えに悩む『家庭画報』読者のために、スペシャルな薬膳のレシピを考案してくださいました。
【薬膳スープ】
冬瓜と干し貝柱 十勝マンガリッツァポークの薬膳蒸しスープ
“ハトムギ+冬瓜+豚肉+貝柱”は、むくみ解消・美肌の定番。和漢素材が引き出す、食材の持ち味と程よい“薬膳感”が堪能できます。
和漢素材
【1】
・白扁豆(はくへんず)...3グラム
・蓮子...3グラム
・高麗人参...2.5グラム
・高麗紅人参(姿)...2グラム
・棗...5グラム
・三七人参...1グラム
【2】
・陳皮...2グラム
・枳実(きじつ)...1グラム
・桔梗...0.5グラム
・甘草...0.5グラム
・金時生姜...0.2グラム
【3】
・ハトムギ...20グラム
・枸杞(くこ)...適量
※【1】、【2】はそれぞれ別の不織布パックに入れて使う。
材料
・冬瓜…200グラム
・豚スペアリブ…300グラム
・干し貝柱…10グラム
・粒白こしょう…5粒
・紹興酒…10ml
・水…750ml
・和漢素材…上に記載した【1】・【2】・【3】
・チキンパウダー…4グラム
・塩…2グラム
・グラニュー糖…2グラム
作り方
1.スペアリブを食べやすい大きさに切ってゆで、軽くあく抜きをしておく。
2.和漢素材【1】【2】、干し貝柱、粒白こしょう、紹興酒、スペアリブと分量の水を器に入れラップをして1時間蒸し、スープを作る。
3.冬瓜を塩を加えた湯で下ゆでしておく。和漢素材(3)のハトムギを軽く水洗いしておく。
4. 2.のスープから(1)を取り出し、中身を小さくカットしてスープに戻す。3.のハトムギと冬瓜を加え、さらに1時間蒸す。
5. 表面に浮いた脂を取り、(2)を取り出し、分量の調味料を加え、水でもどした枸杞を最後の仕上げにのせる。
症状別ワンポイント
・疲れやすいかた(脾気虚)はスペアリブの脂を十分に取り除く。
・イライラの気になるかた(瘀血)はグラニュー糖の代わりに黒砂糖を。
・むくみの気になるかた(水毒)は冬瓜の分量を増やす。
ヘイフンテラス料理長 大崎 竜さん
横浜市出身。30年以上広東料理に携わる。ザ・ペニンシュラ東京館内の全中国料理を監修。
ヘイフンテラス
住所:東京都千代田区有楽町1-8-1 ザ・ペニンシュラ東京2階
TEL:03(6270)2888
定休日:月曜
〔特集〕体を温めて不調を整える 「冷えを改善する夏の薬膳」 (全9回)
撮影/本誌・西山 航 スタイリング/横瀬多美保 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。