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テート美術館の名品がずらり。18世紀末から現代まで「光」で辿る美術史

2023.08.09

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〔今月の美術〕テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ

ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡

ジョン・ブレット《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》 1871年 Photo:Tate

“光”を切り口に、テート美術館の所蔵作品で構成したユニークな展覧会が開催される。担当する国立新美術館主任研究員の山田由佳子さんにお話を伺った。


「本展は“光”をめぐって芸術家たちがどのように思考を展開し、新たな表現を試みてきたのかに注目する展覧会です。18世紀末から現代までの200年間で光と世界の関係が大きく変化し、芸術家も科学技術の発展に影響を受けてきました。絵画、版画、写真などの平面作品から、蛍光灯を用いた彫刻、映像、インスタレーションまで、幅広い表現を通じてその変遷を辿ります」

エプト川のポプラ並木

クロード・モネ《エプト川のポプラ並木》 1891年 Photo:Tate

本展は、2021年に上海でスタートした国際巡回の展覧会だ。

「上海、ソウル、メルボルン、オークランドを巡回してきて、東京、大阪へと続きます。展示内容はテート美術館が編成しましたが、日本側主催者との話し合いにより、日本初公開のゲルハルト・リヒターをはじめ特別に12点の作品が新たに加わります」

湖に沈む夕日

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《湖に沈む夕日》 1840年頃 Photo:Tate

カラーサイクルⅢ

ピーター・セッジリー《カラーサイクルⅢ》 1970年 Photo:Tate, ©Peter Sedgley,courtesy of The Redfern Gallery,London

最後に、見どころを伺った。

「異なる時代、地域で制作された約120点の作品を一堂に集め、展示作品が相互に呼応するような、これまでにない会場構成を行います。特に現代の作品ではダイナミックなインスタレーションもあり、まさに光を体感できる場となるでしょう。作品に向き合い、あるいはその中に入ることでしか味わえない光の表現を、ぜひ会場で楽しんでいただければ幸いです」

スウィング

ワシリー・カンディンスキー《スウィング》 1925年 Photo:Tate

テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ

国立新美術館 企画展示室2E
~2023年10月2日
休館日:火曜
開館時間:10時~18時(金曜・土曜は20時まで)
観覧料:一般2200円ほか
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL:https://tate2023.exhn.jp/
※入館は閉館30分前まで
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/安藤菜穂子

『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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