日本の聖地を訪ねて 日本人は古来、自然の中に八百万の神々を見出し大切にしてきました。神聖なる力や自然の美しさが感じられる聖地を数秘研究家のともこさんが訪ねます。新時代の開運の縁となりますように。
記事一覧はこちら>>> ともこ(磨雲木)数秘研究家・リトリートプロデューサー。数秘の智慧を生活に生かし、しなやかで心地よい暮らしを送るヒントを伝えている。個人セッションのほか、カルチャースクールでの講義も行い、人気を集めている。初となる著書『誕生日が教えてくれる本当のあなた』(世界文化社)が絶賛発売中。第16回 多様な文化と美景が織りなす聖地・天草諸島
漁民と航海の安全を祈願して祀られた倉岳神社。穏やかな海や島々が眼下に広がる。九州中西部の海域に浮かぶ天草諸島。大小120余の島々からなる自然豊かな地は、上島と下島を主島とし、陸・空・海からアクセスが可能です。今回は、九州本土とつながる天草五橋を渡る美景ルートからスタートしました。
小さい島の頂上に航海や芸能、金運アップの御利益がある「弁財天さま」を祀る栖本(すもと)弁財天。干潮時に、歩いて渡れる。繁栄期には島民の8割以上がキリシタンだったという天草で、今回是非とも訪れてみたかったのが、下島にある鈴木神社。
島原・天草一揆後の復興を進めた人物・初代代官である鈴木重成公、兄の鈴木正三和尚、二代目代官の鈴木重辰公を主祭神とする神社です。そよぐ風の音と、鳥のさえずりが心地よい境内は、今もなお、天草の守り神としての尊さを感じる聖域でした。
大きな磐座(いわくら)が御神体の龍ヶ岳龍王神。石板には龍神祝詞が刻まれている。天草諸島は、北は有明海、東・南東は八代海、西・南西は東シナ海の天草灘に囲まれ、絶景ポイントが多く点在します。穏やかな内海に浮かぶ天草松島は日本三大松島の一つであり、天空の鳥居として有名な倉岳(くらたけ)神社が鎮座する天草最高峰の倉岳からは、360度の大パノラマが楽しめ、宝石をちりばめたような島々の美しい景色を堪能できます。
小さな漁村に建つ﨑津教会。現在の教会は、1934年に再建されたもの。また、世界文化遺産・﨑津集落や天草ロザリオ館をはじめ、潜伏キリシタン関連の遺産が数多く残り、海を渡り伝来した南蛮文化を感じられる一方で、ほぼ一年を通して野生のイルカを観察でき、さらには1億年前の化石に出逢える恐竜の島としても有名です。
西平椿(にしびらつばき)公園にある高さ約20メートルの巨大なアコウの木。歴史と共に、豊かな自然が息づく美しき聖地がありました。
撮影・取材・文/磨雲木(ともこ)
『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。