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器好きの間で人気が再燃中の「唐津焼」。その魅力とは?

2018.03.28

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丸田宗彦作「奥高麗徳利」4万3200円、矢野直人作「斑唐津盃」1万800円。「丸田さんの徳利は奥高麗茶碗に色と肌、かいらぎまで似せた珍しいもの。矢野さんの盃は白い釉薬だけなのにそうは見えない複雑な色合いで、お酒を入れると趣が増します」。

──同じ佐賀県の有田焼、伊万里焼との違いを教えてください。


まず、有田焼と伊万里焼について先にご説明すると、この2つは基本的には同じものです。有田で作ったものが伊万里の港から輸出されたことで、両方の名前で呼ばれるようになりました。


唐津と有田、伊万里の一番の違いは素材で、唐津は土、有田、伊万里は石。先に生まれたのは唐津で、17世紀初頭に有田で陶石が発見され、日本初の磁器が誕生しました。

磁器はガラスのような透明感や質感があり、しかも土の焼きものより丈夫で、簡単に轆轤(ろくろ)がひける。そんな磁器の誕生で唐津焼の需要は減っていき、更には明治に入り藩の庇護を失ったことですっかり衰退してしまいます。

──衰退した唐津焼が再興したのはなぜですか?


12代中里太郎右衛門、のちに人間国宝となった中里無庵(1895~1985年)が古唐津の窯があった地を巡って、長く忘れ去られていた古唐津の技法を復活させたのです。

無庵が古い名品の「写し」を作ることで唐津焼に注目が集まり、作り手も増えていきました。

現在では唐津市内に約70の窯元があり、時代に合った現代的な作品も多く作られています。

家も家具のデザインもミニマムな現代の生活に合わせて、サイズを小さくしたり、絵柄の分量を少なくしたり。たとえば、昔の作品では5羽描かれていた鳥を3羽にしたり、5本の枝を3本にしたりしていますね。



ホテルのエントランス近くに位置する店舗は明るく入りやすい雰囲気。「20代くらいのかたからご年配のかたまで、幅広い世代のお客さまがいらっしゃいます」と坂本さん。
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