朝型の生活に変えるだけで減量効果が期待できます
夜型生活はエネルギー消費量が少ないことがわかっており、その分、太りやすいのです。
〔解説してくださるかた〕
大湯リハビリ温泉病院 常務理事 小笠原達記念温泉医学研究所 所長・温泉保養館館長 池田充宏(いけだ・みつひろ)先生筑波大学大学院にて疾病の運動処方の研究を開始、博士号を取得。45万人以上の健康管理に携わり、そのビッグデータの解析から誰もが無理なく取り組める健康管理法を導き出し、多くの企業や自治体を指導してきた。また、国内外のトップアスリートの能力評価、減量、トレーニング、リハビリにもかかわる。朝型に切り替えるコツは就寝を30分ずつ早めていくこと
肥満を防止するうえでも一日に7~8時間の睡眠をとるのが理想的ですが、さらなる減量効果を上げたいのなら睡眠時間だけでなく、生活パターンも見直してみましょう。
「同じ睡眠時間でも夜型なのか朝型なのかで太りやすさが変わってくるのです」と池田先生は指摘します。
国内の研究で喫煙習慣のない女子大学生を対象に一律500キロカロリーの食事を「7時、13時、19時に食べる朝型」と「13時、19時、1時に食べる夜型」に分けて両者の食事誘発性熱産生(DIT/食事をすることで増加する代謝量)を測定して評価しました。
3食分のDITを朝型と夜型で比較したところ、夜型のほうが有意に低い結果となりました。「朝食を食べずに深夜に食事をするような夜型生活では一日のエネルギー消費量が少なく、その分、太りやすいことが示唆されたのです」。
また、朝型では7時の食事のDITがほかの時刻の値に比べて有意に高いことがわかりました。
「食事をする時間帯として減量効果が最も期待できるのは朝7時ということになります。一日のスタートが早いと朝食の時間も早くなり、エネルギー消費量を増やすことができるので、朝型はやせやすいといえます」と池田先生は説明します。