〔特集〕新時代の王室を祝い、活気ある街を旅する 新しい英国
2023年5月6日、エリザベス女王のとき以来70年ぶりに戴冠式が行われました。新国王チャールズ3世誕生に沸くイギリスで、王室ゆかりの場所と、ロンドンから少し足を延ばして訪れたいマナーハウスへご案内します。
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王室のファッションリーダー キャサリン妃
王室のフォーマルスタイルに欠かせない、帽子と手袋。「上品で華美でない」という条件のもと、見事に独自のスタイルを築いたキャサリン皇太子妃のお気に入りブランドをご紹介します。
究極に美しくエレガントなデザイン コーネリア ジェームス(Cornelia James ) 不特定多数の人と握手をするため、公務の際は必ず手袋を着用していたエリザベス女王。公式の場で手袋をするのは、17世紀からの社交界の伝統で、上流階級の人々はその証として、手の美しさを強調していました。
女王がハネムーンで着用する手袋の製作を任されたことをきっかけに、英国王室はもとより、日本の皇室のかたがたの手もとも彩ってきたそうです。キャサリン妃も愛用者の一人です。
© Mark Cuthbert/Getty Images
手袋はすべて熟練した職人の手作業で縫製され、注文時に人差し指の長さを、ロンググローブの場合は、上腕周りを測り、一人一人のサイズに合わせたセミオーダーメイド。緑豊かな農場の中にある工房で、究極に洗練された美しいデザインを生み出しています。
究極に美しくエレガントなデザイン「コーネリア ジェームス」の手袋
右・キャサリン妃がさまざまな公務で着用している、心地よいメリノウール製(135ポンド)。中右・フェイクファーのカフが上品。キャサリン妃も愛用(180ポンド)。中左・繊細なチュールが華やかに手もとを飾る(245ポンド)。左・メリノウール製で、ブランドを代表するスタイル(145ポンド)。
美しい化粧箱に入れて、発送される。
スタジオはロンドン郊外ののどかな農場の中。
Unit B, Hall Ct Farm, Ripe, East Sussex BN8 6AY
TEL:+44(0)1273 9771 03
www.corneliajames.com/(スタジオ訪問は要予約)
最高の品質を誇る、世界最古の帽子店ロックアンドコーハッターズ(Lock & Co.Hatters) © Antony Jones/Getty Images
英国では「女性は公の場で髪を見せない」という古い伝統がありますが、今では帽子はそのためではなく、フォーマルスタイルとして欠かせないものになりました。
王室には品格があり、華美でないファッションが必須で、そんな条件を満たすのが1676年創業のこの帽子店。世界最高のデザインと品質を誇るこの店の帽子は、落ち着いた上品な輝きがあり、かぶる人の魅力を引き出します。
エリザベス女王も愛用されていたように、キャサリン妃もいくつかお気に入りがあるようです。上の写真の青の帽子「MayfairPillbox Hat」もその一つ。王室に限らず、アクセサリーのように帽子でお洒落を楽しむ英国文化の発祥地。ロンドンで一度は立ち寄ってみたい名店です。
最高の品質を誇る、世界最古の帽子店「ロックアンドコーハッターズ」
上右・軽量で柔らかく暖かい、再利用したファーがアクセント(295ポンド)。上左・兎の毛皮のフェルトを使用しており、しっとりとした上品な手触り(895ポンド)。下右・顔のラインを美しく引き立て、品格がある。花の部分は革製(925ポンド) 。下左・ウール100パーセントのフェルトで、エレガントなラインが際立つ(345ポンド)。
「ロックアンドコーハッターズ」
2階は華やかな女性用の帽子が並ぶ。
6 St.James's Street,London SW1A 1EF
TEL:+44 (0) 20 7930 8874
(営)9時30分~17時30分 日曜休
※次回に続く
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