辻井さんの肩を揉む佐渡さん。撮影の合間も仲よしすぎる二人。愉しく温かな雰囲気が、周囲を和ませる。二人のこれから。新たな展開
佐渡 音楽とどう向き合っていくか、人としての魅力をどう輝かせられるかは、常に音楽家の課題。のぶくんのこれからは何も心配していないけれど、何かあったらいつでも相談してほしいし。
辻井 ありがとうございます。ピアノの魅力をもっと伝えていきたい、クラシック音楽をもっと広めたいという気持ちから立ち上げた「
富士山河口湖ピアノフェスティバル」、「サントリーホールARKクラシックス」が、毎年秋にあります。その中で、小学生に音楽の楽しさを伝える授業のようなこともするんです。子どもたちって、とってもピュアだし、発想力がすごくて!
佐渡 僕もこの墨田区で、大人はもちろん、子どもたちがクラシック音楽に出会える場を増やし、小・中・高校を訪ねて吹奏楽や合唱、音楽部の指導などもしていきたい。次の世代に何かを伝えていくことは、われわれの役回りのひとつでしょう。それと自分自身、真剣に遊んでいきたい。ゴルフもそうだし、最近は台所に立つのが楽しくて、休みの日は一日中料理しています。
辻井 まだ佐渡さんの料理、食べたことないなあ。
佐渡 そうか、家に遊びにおいでや。
辻井 ぜひ! 僕は、水泳とか山登り、釣り、そして最近は陶芸にハマっています。ろくろを回すときの集中力、指先が繊細でないとすぐに崩れてしまう。ピアノと共通するものもあるなあと。今度佐渡さんにプレゼントします!
佐渡 じゃあ今度は、のぶくんのつくった器で、僕の料理を一緒に食べよう。
撮影/鍋島徳恭、猪俣晃一朗 スタイリング/大八木美和〈クレッシェンド〉(佐渡さん) ヘア&メイク/稲垣直美〈クレッシェンド〉(佐渡さん) 取材・文/内海陽子 佐渡さん衣装/Utsubo Stock
『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。