イタリアが誇る スパークリングワインの魅力
ミラノ・マルペンサ空港からクルマを北東に走らせて約1時間。風光明媚なイゼオ湖畔の南に広がるフランチャコルタ地方はスパークリングワインの銘醸地。特別な日の乾杯のワインとして、食中酒として。フランチャコルタの多彩な魅力に、現地への旅を通して迫ります。
前回の記事はこちら>>ワイナリー施設そのものがサステナブル
Barone Pizzini(バローネ・ピッツィーニ)
〈左〉「フランチャコルタ エクストラ・ブリュット “アニマンテ”」新たに認定された品種エルバマットを用いた、爽やかな酸が持ち味。希望小売価格5940円/アルカン前ページでご紹介したとおり、当地での有機栽培の先駆者であるとともに、環境に最大限配慮した醸造施設、瓶や箱も再生可能な素材を使用するなど、全方位でサステナブルを目指すワイナリー。
丘の斜面に建つ醸造所。半分以上が地中にあることで内部の温度変化を最小限に抑えている。電力はすべて再生可能エネルギーで賄う。また、DOCGで認定される前から土地伝来のエルバマットを育てて研究し、認定後、いち早くこの品種を採用。複雑で繊細、程よい酸をもたらすワイン造りに取り組んでいます。
Via S. Carlo, 14, 25050 Provaglio d'Iseo(BS)https://baronepizzini.it/シャンパーニュでの学びを取り入れさらに進化
Uberti(ウベルティ)
〈左〉「フランチャコルタ・エクストラ・ブリュット・コマリ・デル・サレム2016」樹齢50年、伝統的な仕立てで栽培した単一畑のぶどうを使用。長期熟成によるリッチな味わい。希望小売価格9020円(秋以降発売予定)/テラヴェール 〈右〉当主の娘フランチェスカさんとお婿さんのルイージさん。西側の代表的産地、エルブスコにある家族経営のワイナリー。当主ジョヴァンニ・アゴスティーノ・ウベルティさんの長女シルヴィアさんは「ジャック・セロス」などシャンパーニュの名門で学び、妹のフランチェスカさんとともに、独自のスタイルを確立するべく奮闘中です。
名門「カ・デル・ボスコ」や「ベラヴィスタ」にも程近い場所にある。リザーブワインを多く用いた重奏感ある味わいは日本のソムリエからも注目度が高まっています。
Via E. Fermi, 2, 25030 Erbusco(BS)https://www.ubertivini.it/最新鋭の設備で新たなスタートを切った名門
Monte Rossa(モンテ・ロッサ)
〈左〉「“カボション” フランチャコルタ・フオリセリエ」宝石のカット方法である「カボション」のごとく、きめ細かく持続性のある泡が印象的。希望小売価格1万6654円/モンテ物産 〈右〉当主と次代を担う甥のアルド・ラボッティさん。創設50年を迎えた家族経営の人気ワイナリーが最新鋭の醸造施設を完成させ、新たなスタートを切りました。「熟成庫以外は自然の光が入るように設計し、作業動線も最大限に配慮。働きやすい環境づくりは次の50年に持続するワイナリーであるために最も重要なことです」と当主のエマヌエーレ・ラボッティさん。
明るい陽が差し込む醸造所。こちらのフランチャコルタは樽発酵・樽熟成のリザーブワインを多く用い、フラッグシップの「カボション」に象徴される力強い華やかさが特徴です。
随所にチャーミングなアートが。Via Per Ospitaletto, 131, Cazzago San Martino(BS)https://www.monterossa.com/華麗なるワイン産地の原点。フランチャコルタ発祥のワイナリーへ>>
この特集の掲載号
『家庭画報』2023年9月号
撮影/本誌・西山 航 取材協力/フランチャコルタ協会
『家庭画報』2023年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。