〔特集〕新時代の王室を祝い、活気ある街を旅する 新しい英国2023年5月6日、エリザベス女王のとき以来70年ぶりに戴冠式が行われました。新国王チャールズ3世誕生に沸くイギリスで、王室ゆかりの場所と、ロンドンから少し足を延ばして訪れたいマナーハウスへご案内します。
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伝統と革新が共存するホテル&レストランへ
常に進化を続けるロンドンのホテルは、歴史的な外観はそのままに室内を大胆にリノベーション、最新設備が導入されています。今宿泊したいホテルとアフタヌーンティー、ロイヤルファミリーも通うレストランへご案内します。
グランドフロアにある「フォイエ」は、アールデコの意匠が美しいオールデイダイニング。優雅な雰囲気の中、行き届いたサービスでいただくホテルのディナーは格別。
歴史を重んじつつ現代の快適性を追求する「クラリッジズ(Claridge’s)」
メイン料理から、シグニチャーディッシュの一つ、ロブスターのリゾット(52ポンド)と、付け合わせの青豆とミント(10ポンド)。アメリケーヌソースは濃厚ながら洗練された味わい。
地上3階、地下5階を増床し、さらに進化を遂げた1812年にクラリッジズ夫妻が小さなタウンハウスを購入して開業したホテルが「クラリッジズ」の起源。その後、隣接する建物を購入し、規模を拡大。その名声を聞いたヴィクトリア女王が訪れた唯一のホテルといわれています。世界各国の王室関係者、また天皇皇后両陛下の宿泊場所となり、ロンドン随一の名門ホテルとしての地位を確立しました。
このホテルの最大の特徴は、さまざまな時代の意匠が絶妙に融合されていること。外観は煉瓦造りのヴィクトリアン様式ですが、ロビーの床には幾何学文様の白黒の大理石が敷き詰められており、フォイエには壮麗なシャンデリアやミラーが随所に配され、「アールデコの宝石箱」とも呼ばれています。
一方で滞在の快適性を高めるため、客室はモダンにリニューアル。エリザベス2世の甥のデイヴィッド・リンリーなどのデザイナーを起用し、コンテンポラリーな空間になりました。
さらに地下は5階まで掘り下げてスパとプールを新設。地上は3フロア分を積み上げて増床、バルコニーのついた客室からはロンドンの街並みが見下ろせます。積み重ねてきた歴史を大切にしながら、ホテルの進化はこれからも続きます。
アールデコの意匠をインテリアや調度品に残しつつリニューアルされたメイフェア スイート。奥にベッドルームがある。1泊1室2000ポンド~。
改装により新たに設けられた上層階のバルコニーからは、高級住宅街メイフェアの街並みを一望することができる。
広いテラスがあり、開放的なグランド テラス スイートのリビングルーム。内装や調度品は白で統一され、イギリスの現代美術家、ダミアン・ハーストの絵がかけられている。1泊1室1万2000ポンド~。
重厚な煉瓦造りの外観と、エントランスの上にずらりと並ぶ旗が目印。
フォイエでのアフタヌーンティー。サンドイッチ、プレーンとレーズン入り2種のスコーン、4種のペーストリーに、好みのお茶を合わせて。85ポンド~。要予約。
Brook Street, London W1K 4HR
TEL:+44(0)20 7629 8860
1泊1室700ポンド~ 全206室
※次回に続く
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