きもの美人のモダンヘア
普段のきりりとしたショートヘアが、プロの手で“きものに似合うモダンヘア”へとアップグレード。きものを着る際に、まとめ髪の必要がないショートヘアは“手間いらず”と思われがちですが、実は洋装と同じスタイリングでは、やや地味に見えてしまう場合も。その微妙な変化に気づいた阿川さんから、「きもの用のショートヘアのアレンジのコツが知りたい」とご要望がありました。
そこで、ご指南いただいたのが長年にわたり阿川さんのヘア&メイクを担当している田中舞子さんです。アレンジのポイントを伺いました。
「大切なのは、トップにボリュームをもたせることです。アイロンでくせをつけ、頭頂部の内側に逆毛をたてて外側の髪をかぶせるだけで華やかな印象に。さらに、片側だけ耳にかけてアシメトリーにスタイリングすると、ぐっとモダンな雰囲気になります」。
この日の阿川さんは、上質なカジュアルきものに分類される宮古上布を装っているため、大げさになりすぎないようにトップのボリュームはやや控えめに。その代わりに、アイロンで柔らかなカールをつくり、一方のサイドにボリュームをつくりました。もう一方はコンパクトに耳にかけることで、躍動感のあるモダンなスタイルが完成。ぜひ、参考にしてください。
お母さまの介護をされていた頃は、美容院に行くタイミングが難しいという理由から、ご自身で髪を切られているそうです。田中さんのスタイリングで、モダンなきものヘアに仕上がりました。
阿川佐和子(あがわ・さわこ)
©Akinori Ito作家・エッセイスト 1953年東京生まれ。大学卒業後、テレビ番組でのリポーターを機に、報道番組でのキャスターや司会を務める。映画やドラマに出演するなど女優としても活躍。『週刊文春』(文藝春秋)では対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」を、『婦人公論』(中央公論新社)、『波』(新潮社)他では多くのエッセイを連載。テレビ朝日系列『ビートたけしのTVタックル』にレギュラー出演中。『母の味、だいたい伝授』(新潮社)他、著書多数。