旬を愛でる花旅・庭めぐりとは…毎週水曜日は、ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが“今が旬”の花の名所情報をお届け。今回は見頃を迎えたクリスマスローズが美しい庭をご紹介します。
旬を愛でる花旅・庭めぐり(28)バラの庭の春を彩る、もうひとつのローズを訪ねて〜千葉・ドリプレ・ローズガーデン
ドリプレ・ローズガーデンの斜面を埋め尽くすクリスマスローズ。園路からはちょうど見上げるアングルになるので、うつむきがちに咲く花がよく見える。斜面の上に建つカフェではランチやアフタヌーンティーも楽しめる。写真/高梨さゆみ千葉の房総半島の山中にある珠玉のガーデン
温暖な地域であれば、2月から咲き出すクリスマスローズは、早春の庭づくりに欠かせない花です。キンポウゲ科の宿根草で、よく学名のヘレボルスでも呼ばれます。
クリスマスローズとは、本来、ヘレボルス・ニゲルの英名で、12月にバラのような花を咲かせることから名づけられました。年が明けてから咲き出すのはおもにオリエンタリス系の交配種ですが、これも含め、日本ではクリスマスローズと呼ばれています。
淡ピンクが何とも愛らしい一重の品種。ふっくらと咲く花姿がエレガント。写真/横田秀樹見頃を迎えるのをずっと待っていた名所
さて、すでにクリスマスローズが開花している庭もたくさんありますが、この連載で掲載しなかったのは、ぜひご紹介したいクリスマスローズの名所があるからです。
その庭が見頃を迎えるのを、いまかいまかと待っていました。
千葉県君津市、房総半島の中心部近くの山中に、ひっそりと佇むガーデンがあります。「ドリプレ・ローズガーデン」。オーナーは清水幸三さんとせつさん。
元々は神奈川県にお住まいでしたが、バラに魅せられたせつさんが広い場所で思い切りバラを育てたいと切望し、房総半島の山中に移り住みました。
ご夫妻でこつこつと山林を開墾し、バラを少しずつ増やし続けて14年に至ります。美しいバラ園がある、と人づてに広まり、2010年からは一般公開を始めました。
今ではオールドローズとイングリッシュローズの芳香の強い品種を約350種、2000本ものコレクションを誇る庭となり、バラ愛好家のみならず、広く知られるようになっています。
さて、その素敵なローズガーデンが、なぜクリスマスローズの名所なのでしょうか?
●「ドリプレ・ローズガーデン」の魅力、まだまだご紹介します!
(2)ファン憧れの育種家によるコレクションが斜面を埋める
(3)感動するほど美しいこのガーデンの秘密とは?