〔特集〕今秋、感動の体験旅へ 京都・奈良 日本が世界に誇る2大古都、京都と奈良。世界文化遺産にも登録されている、この2つの都市の文化的価値と魅力を、料亭、庭園、建築などに焦点を当てて紐解いていきます。さらに美味処、話題のスポットの情報もお届けします。
1200余年の歴史を持つ古都・京都。凄まじいスピードで変貌する現代では京都もその例外ではありませんが、一本路地を入れば、歴史を感じさせる神社仏閣や町並みが姿を現します。
ひそやかに、しかし確実に守り受け継がれてきた京都の文化は、日本の財産です。私たち日本人がその価値ある文化を理解し、共有し、正しく後世につなぐために──。
通い慣れたかたも、久しぶりに訪れるかたも。今年は“拝観”スタイルの観光から一歩踏み込み、誰かに話したくなる“教養の旅”へ出かけてみませんか。
千年の都、京都から南へ40キロ。京の都が、応仁の乱に始まる百年の戦禍により、平安時代以前の建物のほとんどが失われてしまった中で、古都・奈良では奈良時代の木造建築や仏像群が奇跡的に残されています。
秋季特別開扉は必見。興福寺「北円堂(ほくえんどう)」秘仏群
興福寺伽藍の北西にある北円堂は、この寺を創建した藤原不比等の一周忌に建立された八角円堂。奈良時代の建物を鎌倉時代に再建したもので、興福寺では三重塔と並ぶ現存最古の国宝建築物。通常非公開だが、北円堂特別開扉が、2023年10月21日~11月5日に予定。仏師運慶による国宝・弥勒如来坐像を取り囲むように9躯の尊像が安置される様は圧巻。
※次回へ続く
参照資料/『宮司が語る御由緒三十話 春日大社のすべて』(中央公論新社)、『古寺行こう(3東大寺 4興福寺 5薬師寺 10唐招提寺)』(小学館)、『奈良で学ぶ 寺院建築入門』(集英社新書)、『わかる!元興寺』(ナカニシヤ出版)
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この記事の掲載号
撮影/小林廉宜 『家庭画報』2023年10月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。