私とウチもふ――縁あって1つ屋根の下 縁あって、共に暮らすことになった大切なパートナー、ウチもふ(犬&猫)。読者の皆様のウチもふベストショットを紹介する連載が、新たにスタートします。
詳細・応募方法はこちら>>さらに毎月第2・第4火曜日には、家庭画報ドットコムでおなじみの方々の“ウチもふ特別版”をお届けします。第3回はインテリアスタイリストの横瀬多美保さん。17歳を迎えるトイプードルとの日々を紹介します。
横瀬さんが犬と暮らそうと考えたきっかけは、一人息子さんの存在でした。「どうしても留守番をさせることが多かったので、犬がいれば寂しくないかなというのがひとつ。そして大人に囲まれて気ままに育っている息子に、自分より弱いものに優しくする気持ちを持ってほしいという思いもありました」
撮影(左)/鈴木一彦
息子さんが小学3年生の時に迎えた初代の犬は、ミニチュアダックスフンドの小太郎ちゃん。7歳で癌のためにこの世を去り、しばらく傷心の日々が続きました。「偶然、散歩途中に入ったペットショップで、クロベエに出会いました。今度こそ長生きしてもらおう、たくさん可愛がろうと息子と話して、我が家に迎えることにしたのです」
真っ黒いトイプードルのクロベエちゃんは、とにかく身体能力の高い子でした。ジャンプ力は抜群、すごいスピードで走り、お散歩の歩調を合わせるだけで横瀬さんはへとへと。
クロベエちゃんと富士山とのツーショット。
「ある夏、こんなことがありました。散歩の途中にリードがするっと手から離れてしまって。その瞬間に全速力でクロベエが走って行ってしまったのです。車もよく通る大通りに面した歩道で、私はもう生きた心地もせず必死に追いましたが到底追いつけず、半泣き状態。もうダメだと思った時に、2人の青年が“どうしたんですか?”と声をかけてくださったんです」。状況を説明すると「僕たちが追いかけます!」と走り出し、無事クロベエちゃんを保護してくれました。「汗びっしょりで、ニコニコと笑いながらクロベエを抱っこして歩いてくる彼らの姿! あの時感じた人の温かさ、優しさは忘れることはありません。クロベエ5歳の夏でした」
「そういえば、マシュマロ事件というのも我が家では語り継がれています。私が夜、小さなマシュマロをたくさんつけたクリスマスリースを作り、普段はクロベエが上れないテーブルの上に置いて寝たんですね。翌朝目を覚ましたら、マシュマロ30個だけが綺麗になくなっていたのです。どうやって上ったのか、本当に食いしん坊のいたずら坊主でした」
家庭画報.comでの連載をまとめた書籍、『テーブルコーディネートから始まる 美しい暮らしのインテリア365日』にもよく登場していたクロベエちゃん。撮影/鈴木一彦
よく遊び、よく甘え、様々な思い出を重ねてきたクロベエちゃん。名付け親の息子さんもすでに30歳になりました。「クロベエは8歳の頃に白内障になり、その後まったく見えなくなってしまいました。でも嗅覚を頼りに上手に生活できているんですよ。数年前には脳血腫にもなって……諦めかけましたが、お医者さまの的確な投薬で血腫がなくなり無事に生還。本当にクロベエは頑張り屋さんなんです」
撮影/鈴木一彦
「病気やけがや認知機能の低下など、どんな状況になったとしても、家族である以上、最期まで優しい気持ちで接してあげたい。自分ではなにも訴えられないのですから、人間が察して助けてあげないと」という横瀬さん。もうすぐ17歳を迎えるクロベエちゃんに、毎朝「ありがとう、今日も元気に穏やかに、ゆっくり過ごそうね」と話しかけるといいます。真っ黒だった毛も、すっかりグレイヘアになりました。「おじいちゃんですから、最近はほとんど寝ていますが、それでも私が帰宅した気配を感じると、むくっと起き上がってくれるのが、いとおしくて。ただいまって言いながらぎゅーっと抱きしめて、本当に幸せな気持ちになるんです」
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あなたの可愛い犬&猫のベストショットを見せてください>>〔ウチもふ特別版〕私とウチもふ――縁あって1つ屋根の下
1.モデル・田沢美亜さんと保護犬TETO
2.モデル・松島 花さんと保護猫ごろりん、ゴメズ、フェスター
3.インテリアスタイリスト・横瀬多美保さんとクロベエ