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京都の旬の食材を潔く、シンプルに。秋の美味に出会う「ととよし」(御所南)

2023.09.22

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【鱧・松茸】名残の時期、脂がのってうまみが増した鱧は骨切りして薄葛を打ち、一番だし、松茸と合わせて椀物に仕立てる。器は時代物の椿蒔絵椀。

〔特集〕今秋、感動の体験旅へ 京都・奈良 日本が世界に誇る2大古都、京都と奈良。世界文化遺産にも登録されている、この2つの都市の文化的価値と魅力を、料亭、庭園、建築などに焦点を当てて紐解いていきます。さらに美味処、話題のスポットの情報もお届けします。前回の記事はこちら>>


ととよし(御所南)

骨董の器と、衒いのない料理の出合いを楽しむ

錦市場の鮮魚店「魚よし」に生まれ、小さい頃から京都で食べられてきた魚が身近にあった杉井雄大さん。お酒、骨董の器、料理が楽しめるバー「酒陶 柳野」で料理人兼バーテンダーを13年務めた後、今年1月に新たな店を構えました。

京町家をリノベーションした天井の高い空間で、席はカウンター6席のみ。器は柳野と同じく、中国や日本の骨董が主体で、名品だけでなく雑器と呼ばれるようなものも使われ、京都の旬の食材が潔く、シンプルに盛られます。

「京都という土地で、この季節にこの料理をなぜ食べるか、そこには理由があると思います。それを考えると、必然的に行きつくのは古典的な料理。当たり前の料理をきちんとおいしく出していきたい」と杉井さん。


爽やかな味わいの初夏の鱧は落としに、脂がのってボリューム感の出てきた秋の鱧は松茸と合わせてお椀に。実家の魚店では、調理の前に魚に塩を当て、うまみを引き出していました。そうした仕事を踏襲しながら、日々料理と向き合います。

鯖のきずしは、塩をして1 日おいて余分な水分をすべて抜き、酢締めをしないのが杉井さんの流儀。二杯酢とともにいただく。器は明末の南京青磁。

かますの幽庵焼きに松茸炭火焼きを添えて。器は江戸中期、長石釉のかかった美濃系の四方皿。

コース終盤に出される魚介と野菜の天ぷら。高温の油でさっと揚げる技と、きりっと仕立てた天つゆが好評。写真は淡路産のキス。器は御深井(おふけ)焼。

ととよし
京都市中京区竹屋町通寺町西入ル甘露町666
TEL:075(741)6434
(営)17時〜22時 水曜定休、不定休あり コース1万5000円〜
要予約

※次回に続く

特集「今秋、感動の体験旅へ 京都・奈良」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年10月号

家庭画報 2023年10月号

撮影/本誌・坂本正行 取材・文/西村晶子 ※料理店の献立は仕入れの都合により、食材や料理内容が変更になる可能性があります。また料金は別途サービス料等がかかる場合があります。※施設・店舗は臨時休業の場合があります。事前にご確認のうえお出かけください。『家庭画報』2023年10月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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