〔特集〕時空を超えた眼福の“旅”へ 物語のあるジュエリー 第1回 単なる装飾品の域を超え、感動と驚きを与えてくれるジュエリー。メゾン伝統のスタイル、サヴォアフェールに革新的なテクノロジーを駆使し、今年もさまざまな新作が生まれました。歴史を遡り、遥か彼方の風景や夢想の世界にまで私たちを連れていってくれる、逸品の数々をご堪能ください。
記事一覧はこちら>Part1〈ハイジュエリーが誘う過去から未来、究極の“美”を求める旅〉 「大旅行はひとつの芸術作品であり、創造行為である」(アンドレ・シュアレス著『コッドッティエーレの旅』より)。
先人たちが驚きや感動を得た異国の風景を巡り、何よりドラマティックな自然界の神秘に触れ、さらには、まだ見ぬ風景を求めて創作の道を進んでいく……。さまざまな“旅”から生まれたハイジュエリーが、私たちを新たな芸術世界へと導きます。
ルネサンスの宝箱 “フィレンツェ”(上)街の象徴、ドゥオモの神々しさを2色のゴールドで表現。マイクロモザイクの手法で宝石を敷き詰めた夜空にはダイヤモンドの星が瞬きます。「エスカル サクレ」ブレスレット(WG×RG×ブルー&モーヴサファイア、ブラックスピネル、ダイヤモンド)参考商品/ヴァン クリーフ&アーペル
永遠の憧れの都 “ローマ”(下)点描画のように表現された緑豊かな風景の中に、「コロッセオ」や「ローマ広場」を彷彿させる建築物。偉大な古代ローマへのオマージュとして。「エスカル アンティーク」ブレスレット(RG×エメラルド×ツァボライトガーネット×ダイヤモンド)参考商品/ヴァン クリーフ&アーペル(上下ともにヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)
[VAN CLEEF & ARPELS]
“ル グラン トゥール”冒険から生まれた煌めきのアート
今回「ヴァン クリーフ&アーペル」が挑んだテーマは“グランドツアー”。かつてヨーロッパ周遊を体験した若き貴族たちのこの上なく豊かな旅の世界観が21世紀の今、見事なハイジュエリーに昇華しました。
旅の始まりは、英国から。壮麗な庭園での女神との邂逅英国、デヴォンシャー公爵の大邸宅、チャッツワース・ハウスにあるカノーヴァ作の女神へーベーの彫像とロックガーデンが題材になったクリップ。粗削りゆえに自然のパワーを感じさせるラピスラズリで滝が流れ込む池を、あえて不揃いに仕上げたゴールドとダイヤモンドで岩の壁龕(へきがん)を表現。優美なポーズを見せる女神像との対比と調和が絶妙です。「デア エテルナ」クリップ(YG×WG×RG×ピンクサファイア×ブルーサファイア×ラピスラズリ×グレーパール×ダイヤモンド)参考商品/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)
鮮やかなターコイズが奏でる水の都ヴェネツィアの旅情「ある眠れない夜、3時ごろにバルコニーに出ると、古くからの有名なゴンドラの舟唄を初めて耳にした。(中略)畏敬のあまり、頭の中で旋律を書き留めることができなかった」。ワーグナーの著述から想を得たネックレスはその名も「ゴンドリエの舟唄」。鮮やかなターコイズのカボションが水辺を、パヴェダイヤモンドのアーチがヴェネツィアのリアルト橋を想起させる意匠が秀逸です。「シャン デ ゴンドリエ」ネックレス(WG×YG×サファイア×ターコイズ×ダイヤモンド)参考商品/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ルデスク)
トルストイをも魅了したアルプスの絶景を閉じ込めてチョーカー中央には16.26ct、下の取り外し可能なペンダントには27.70ct。2つのブルーグリーントルマリンが共鳴し、圧倒的なオーラを放ちます。トルストイが小説に書き残した、アルプスの雪山に映える湖のような輝きと色調を存分に生かしつつ、澄明な空気をも感じさせる寒色系のカラーストーンとダイヤモンドの配置が見事です。「レジーナ モンティウム」ネックレス(WG×トルマリン×サファイア×アクアマリン×タンザナイト×ダイヤモンド)参考商品/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペルル デスク)