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抑うつ、不安症、睡眠障害──。メンタルの不調は女性に多い

2023.09.20

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〔連載〕天野惠子先生のすこやか女性外来 日本の女性医療、性差医療の先駆者である天野惠子先生と、更年期とそれ以降の女性の健康について学びます。連載一覧へ>>

身体的・心理社会的ストレスの影響が大
抑うつ、不安症、睡眠障害──。メンタルの不調は女性に多い

活躍の場が広がる一方で、相変わらず女性に偏りがちな家事育児、介護の負担。特に家庭でも職場でも役割の多い中高年女性は、期待に応えようと頑張りすぎて、抑うつや強い不安などメンタルの不調を生じやすいものです。予防と対策のカギは十分な睡眠。ぐっすり眠れば大抵のストレスは乗り越えられるといいます。

天野惠子先生(あまの・けいこ)
1942年生まれ。1967年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。2009年より静風荘病院にて女性外来を開始。

静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。1942年生まれ。1967年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。2009年より静風荘病院にて女性外来を開始。

「女性のストレスは増えうつや不安になりやすい時代。十分な睡眠をとってメンタルの安定を」─天野惠子先生

低くなった受診のハードル。女性外来でも対応可能


メンタルヘルス領域における約20年間の大きな進歩は、心に不調を抱える人が気軽に受診できる窓口が増え、軽症のうちに治療につながりやすい状況になったことです。

「○○病院精神科」に行かずとも身近なメンタルクリニックで精神科医の診療を受けられますし、女性外来での漢方薬処方やホルモン補充療法で対応可能なケースも少なくありません。

私の外来にも抑うつや不安症状を訴える患者さんが多く訪れます。時間をかけて話を聞き、生活習慣のアドバイスを基本に症状に応じて漢方薬や軽い抗うつ剤の処方、和温療法(乾式サウナ器で全身を温める方法。血行改善とリラックス効果がある)などを行い、専門的治療が必要と判断した場合は精神科医を紹介します。

受診時に「どんな症状がいつ頃始まったか。今いちばん困っていることは何か」をメモにまとめて持参されると診療がスムーズに進みます。

自分を労(いたわ)る時間を。睡眠はセルフケアの基本

女性の40~60代は女性ホルモンの変動や低下による体の変化もあり、仕事、家事、介護と求められる役割も増えてストレスフルな年頃。「私がやらなければ」と頑張る女性を周囲が頼り、さらに頑張る悪循環がメンタルの不調を来します。

必要なのは自分の体と心を労る時間。まず十分な睡眠を確保しましょう。睡眠は心身のセルフケアの基本です。

次回に続く。



*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。
URL:http://www.nahw.or.jp/hospital-info

*「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信しています。

公式サイト「女性外来オンライン」:https://joseigairai.online/

YouTube「女性外来オンラインチャンネル」はこちら>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年10月号

家庭画報 2023年10月号

撮影/鍋島徳恭 取材・文/浅原須美

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