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メゾンを象徴する究極の口紅が誕生。シャネル「赤」の伝説

2023.09.28

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新たに誕生した口紅の名は「トランテアン ル ルージュ」。シャネルがパリで最初にブティックを構えたメゾンの聖地、カンボン通り31(トランテアン)番地に由来します。伝説のアドレスを舞台に、12の色に秘められた物語。心惹かれるエピソードに導かれ、新しい色と出会ってみませんか。

ガブリエル シャネル“赤”への特別な思い

シャネルの口紅で初のガラスケースは、カンボン通りのブティックにある螺旋階段がモチーフ。トランテアン ル ルージュ 全12色 各2万5300円 リフィル1万1550円/シャネル(2023年9月1日シャネル オンライン ブティック・一部店舗先行発売、2023年10月6日店舗限定発売) 背景の螺旋階段の写真©CHANEL

シャネルの口紅で初のガラスケースは、カンボン通りのブティックにある螺旋階段がモチーフ。トランテアン ル ルージュ 全12色 各2万5300円 リフィル1万1550円/シャネル(2023年9月1日シャネル オンライン ブティック・一部店舗先行発売、2023年10月6日店舗限定発売) 背景の螺旋階段の写真©CHANEL

赤に魅せられ強く、激しく紡いだ人生

黒、白、ベージュ、ゴールド、そして赤。シャネルを語るうえで欠かすことのできない5つの色の中でも、モノトーンに鮮烈な印象を刻む赤はメイク、ファッション両面において、まさにメゾンを象徴する存在といえるでしょう。

ガブリエル シャネルは、この強く、気高く、生命感に溢れた色を生涯を通して愛しました。人前に姿を見せるときは必ず装いをととのえ、入念なメイクを怠ることのなかった彼女の唇は、決まって赤の口紅に彩られていました。

鏡が張り巡らされた階段の踊り場で、ガブリエル シャネルはショーを見守った。 写真©CHANEL

鏡が張り巡らされた階段の踊り場で、ガブリエル シャネルはショーを見守った。 写真©CHANEL

既成の概念を覆し、モードに次々と革命をもたらしたように、シャネルは口紅においても時代の先駆者でした。


1924年、ルージュ ア レーヴルの登場により、女性たちは初めて現在のようなスティック型の口紅を手にします。

象牙のケースに、トップの部分には「C」のロゴ。色はもちろん赤。「小さなバッグに入れて持ち歩けるように」―― ガブリエル シャネルの思いが、口紅に新たな扉を開いたのです。

一時期第一線から距離を置いたのちカムバックを果たした1955年には、伝説となったキルティングのバッグ「2.55」を発表します。

女性の両手を解放したチェーンストラップも画期的なバッグの内側には、口紅を潜ませる小さなポケットが。ダブル仕立ての裏地には赤のレザーが選ばれました。

それは深みを帯びたガーネット色。ガブリエル シャネルが少女の頃過ごした修道院の制服の色だったと伝えられています。

ガブリエル シャネルが生涯愛したのは、わずかに青みを帯びた鮮やかな赤。肌の透明感を引き立ててくれる赤の系譜は、現在にも受け継がれている。

ガブリエル シャネルが生涯愛したのは、わずかに青みを帯びた鮮やかな赤。肌の透明感を引き立ててくれる赤の系譜は、現在にも受け継がれている。

「赤は生命の色、血の色。私は、赤を愛しています」―ガブリエル シャネル

「赤は生命の色、血の色」。だからこそ唇に赤をまとうことで内なる生命の輝きが表情に宿り、赤が想起させるほとばしる熱情や豊かな感情もまたその人を生き生きと魅力的に見せてくれることを、ガブリエル シャネルは知り尽くしていたのでしょう。赤は視線だけでなく心も惹きつける色であると。

「ルージュをまとって、挑みなさい」―ガブリエル シャネル

「ルージュをまとって挑みなさい」と、同時代を生きる女性たちを鼓舞し、赤の多様性と永遠性を信じて口紅に託した未来。赤の強さと、相反するような繊細さも愛した彼女のお気に入りは、わずかな青みを含んだ真紅の口紅でした。

「31 LE ROUGE(トランテアン ル ルージュ)」 に込められたシャネル12の物語
全く新しい色に出会う口紅の選び方

メゾンを象徴する3つの場所のうちまず1か所を選び、さらに各色にまつわる4つの物語から気になる色を選んでまとう。色ではなく物語からアプローチするという新鮮な試みから、思いがけない色と出会える楽しみが広がります。


【1F】レ クレアシオン(ブティック)
シャネルのクリエイションを発信する、パリで最初のブティック

2 ルージュ クロワジエール
冬から春へ、季節を先取りするクルーズコレクションからインスピレーションを得て。ピンクとコーラル ピンクの中間色。

©CHANEL

©CHANEL

6 ルージュ イマジネール
ガブリエルが思い描いたインドをイメージするフューシャピンク。バッグやボタンなど多彩なクリエイションに使われた。

10 ルージュ ビザンタン
シンプルなスタイルに合わせたバロック ジュエリーの存在感へのオマージュとして表現された深い赤。

12 ルージュ 2.55
メゾンのアイコンであるバッグ「2.55」の裏地の色、ガーネット レッド。「ラグジュアリーとは目に見えないもの」を体現。

©CHANEL

©CHANEL

【3F】アパルトマン
豊かな装飾に溢れた、東洋と西洋が混在するプライベート空間

1 ルージュ ベージュ
「夜はダークカラーを」という当時の常識を覆し、評判を呼んだイヴニング ドレスの色から。輝くピンク ベージュ。

3 ルージュ ロマン
読書家のガブリエルがアパルトマンの本棚に並べ、大切にした本。その革表紙の色を思わせるローズ ウッド。

8 ルージュ フェティシュ
コレクションのたびに、ガブリエルが幸運のお守りとして足首に巻いていたフランネルのリボン。その深く鮮やかな赤。

©CHANEL

©CHANEL

11 ルージュ コロマンデル
ガブリエルが傾倒したオリエントの世界。壁一面を飾るコロマンデル屛風からイメージしたブラウニッシュ レッド。

©CHANEL

©CHANEL

【4F】レ ザトリエ(アトリエ)
卓越した技を駆使してシャネルのクチュールに命が吹き込まれる場所

4 ルージュ フル
「アトリエ フルー」の工房で生まれるドレスに使用されるようなシルクやシフォンの素材の柔らかさ、軽やかさを表現。

©CHANEL

©CHANEL

5 ルージュ プルミエ
ブティックでガブリエルを迎えるとき、お針子やモデルが唇にひいた正装感ある赤。朱のニュアンスを漂わせる。

©CHANEL

©CHANEL

7 ルージュ プリヴェ
アトリエの扉に掲げられた言葉「マドモアゼル プリヴェ」。クリエイションに敬意を表したブラウンがかったレッド。

9 ルージュ タイユール
ツイードジャケットを大胆に彩ったラズベリー レッドにインスパイアされた赤。「アトリエ タイユール」にちなんで。

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年10月号

家庭画報 2023年10月号

撮影/Fumito Shibasaki〈DONNA〉 スタイリング/阿部美恵 取材・文/河合映江

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