〔特集〕時空を超えた眼福の“旅”へ 物語のあるジュエリー 第8回 単なる装飾品の域を超え、感動と驚きを与えてくれるジュエリー。メゾン伝統のスタイル、サヴォアフェールに革新的なテクノロジーを駆使し、今年もさまざまな新作が生まれました。歴史を遡り、遥か彼方の風景や夢想の世界にまで私たちを連れていってくれる、逸品の数々をご堪能ください。
前回の記事はこちら>> 記事一覧はこちら>>Part3〈色彩と煌めきの世界〉 色鮮やかな宝石を巧みにあしらい、各メゾンが生み出す唯一無二の輝き――。目にするだけで生きる力が湧くようなデザインの数々は、私たちの心を瞬時に魅了します。百花繚乱、色彩と煌めきのハイジュエリーの世界をお届けします。
[DIOR]
心躍る“レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール”より
咲き誇る花と色を愛す
ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌがクリエイティブ ディレクターとして、オートクチュール メゾンである「ディオール」の世界をジュエリーで表現し続けて、今年で25周年を迎えました。コレクションごとに、彼女らしい遊び心溢れるビジョンを反映させながらも、創設者、クリスチャン・ディオールへのオマージュが重ねられてきました。
その集大成ともいえる新コレクション「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」では、ディオールのDNAを象徴する二つのテーマ、「クチュール」と「自然」が出合ったのです。ムッシュ ディオールの作り上げたクチュールを思わせるディテール、こよなく愛した庭園というヘリテージ、そしてヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌならではの尽きぬクリエイティビティによって、生命力と色彩に満ちたハイジュエリーの数々が生まれました。
赤からピンクへ絶妙なグラデーションを描く花々花々が咲き誇るブッシュ(茂み)を想起させる、華やかで贅沢なボリューム。ルビーやガーネット、スピネルなどの鮮やかな赤やピンクが、ピンクゴールドと絶妙なバランスで組み合わされています。生き生きと深紅に輝くセンターストーンは、丸みを帯びたオーバルカットのモザンビーク産ルビーです。
「ビュイソン クチュール」ネックレス(PG×ルビー・センター12.14ct×ピンクサファイア×ピンク&レッドスピネル×スペサルタイトガーネット×ダイヤモンド)16億1700万円 同素材のリング(ルビー・センター6ct)3億6800万円 同素材のイヤリング(ルビー・センター計5.11ct)1億6200万円(すべて予定価格)/すべてディオール ファイン ジュエリー(クリスチャン ディオール)
“クチュール”と“自然”が出合う時――
色とりどりの愛らしい花が並ぶ華麗なブレード洋服の縁飾りなどに用いるブレードのことを、フランス語で「ガロン」と呼びます。これまでもハイジュエリーのモチーフとして取り上げられてきたガロンを再解釈し、可憐な花を連続的に配したデザインに。アシメトリーなフォルムに仕上げているのも、甘くなりすぎず、印象的なデコルテを約束します。
「ガロン フルリ」ネックレス(YG×Pt×エメラルド・センター8.42ct×ダイヤモンド×イエロー&ピンクサファイア×パライバトルマリン×ツァボライト×ホワイトパール×グリーンラッカー)3億6800万円(予定価格)/ディオール ファイン ジュエリー(クリスチャン ディオール)
夢見るような明るい色合いで、ゴージャスかつ軽やかにみずみずしく鮮やかなグリーンの色彩が印象的なザンビア産エメラルドは、リングではクッションカットに、イヤリングではエメラルドカットに仕立てられています。引き立てる爪にはグリーンのラッカーが施され、艶やかさを加えています。
「ガロン フルリ」リング(YG×Pt×エメラルド・センター7.1ct×ダイヤモンド×イエロー&ピンクサファイア×パライバトルマリン×ツァボライト×ホワイトパール×グリーンラッカー)2億2100万円 同素材のイヤリング(エメラルド・センター計3.84ct)1億300万円(ともに予定価格)/ともにディオールファイン ジュエリー(クリスチャン ディオール)