手術費用を肩代わり。現地の医師に技術の伝承も
手術後初めて眼帯を外した子どもの目の前で指を出し、「これ何本?」「1本」。「ではこれは?」「2本」……。
光を取り戻した患者は服部先生と抱き合い喜びを分かち合います。
ある日のこと。手術を受けるはずだった少年が姿を現しません。スタッフに尋ねると「手術費用が払えないから帰ってしまった」と。「患者は肉親」を座右の銘とする服部先生は、貧困の現状にひどく心を痛め、以来1000人以上の手術代を肩代わりしてきました。交通費にも事欠く人々のために地方の病院への出張も始めます。
手術はすべて無償で行い、必要な医療資機材や薬品は自腹を切って調達。年の半分は日本に戻ってフリーランスの眼科医として全国の病院を飛び回り、その報酬を活動費用に充てています。
現地の医師たちに最新の手術技術を伝えることも服部先生の活動の大きな柱です。
「ベトナムの人はとても勉強熱心。優秀な医師がたくさん育ちました。私が活動を続けられるのも大勢の仲間たちの協力と支えのおかげです」。
当初の情熱を持ち続けたまま20年経ち、治療した患者は実に2万人以上。今もアジア各国から引く手あまたの服部先生。
曰く「自分の技術を必要としている人がいるなら、どこへでも行きたい」。「アジア失明予防の会」の設立、アジアのノーベル賞と呼ばれるマグサイサイ賞受賞など、その活動は国内外で共感と称賛の輪を広げています。
黄斑部を保護する成分と十分な睡眠で目を健康に
服部先生の献身的な活動を通して気づかされるのは、見えることの幸せ。 私たちは目の健康を守るために何に気をつけたらよいのでしょうか。
服部先生は視力にかかわる最も大事な部分は目の奥の黄斑部だといいます。
「瞳から入った光は高解像度の視細胞が集まる黄斑部で焦点を結びます。視力を保つためには黄斑部にダメージを 与えるブルーライトや紫外線を極力避けること。ルテインやゼアキサンチン には黄斑部を保護する働きがあります。 そして良質の睡眠を。目の細胞は眠りの間に修復・再生されるのです」
視力が気になり始める 40代から、目の健康習慣を心がけましょう。
目の健康を守る5つの習慣
1)LEDなどから放たれる強い光のブルーライトから目を守る。
2)外出時にはUVカットのサングラスをして紫外線に気をつける。
3)規則正しい生活習慣を心がけ、ストレスをためない。
4)細胞は寝ている間に修復・再生されるため、良質な睡眠を心がける。
5)食生活では緑黄色野菜を意識的に摂る。またはサプリメントからルテイン、ゼアキサンチンを摂取し、黄斑部を守る。
ルテインとゼアキサンチンには抗酸化作用があり、黄斑色素量を増やして視力維持に重要な黄斑部を保護する働きがあります。これらの成分を脂溶性のアルガトリウム(活性型DHA)で包み、目に届きやすい独自の工夫を凝らして配合しました。“ 夜寝る前に3粒”の習慣が大切な目の健康寿命を延ばし、細胞の再生に欠かせない、深くて良質な睡眠を導きます。
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撮影/本誌・西山 航 スタイリング/阿部美恵 取材・文/浅原須美 『家庭画報』2023年11月号掲載。 この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。