永遠の都ローマ展
古代ローマ時代には最高神をまつる神殿が置かれ、現在も市庁舎があるカピトリーノの丘。そこに建つカピトリーノ美術館は、世界最古の美術館の一つに数えられる。
岩倉使節団がここを訪問して150年となる今年、同館のまとまったコレクションが日本で初めて展示される。東京都美術館学芸員の小林明子さんにお話を伺った。
カンピドリオ広場のカピトリーノ美術館 ©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali
「本展ではカピトリーノ美術館をはじめ、ローマ市内の美術館が所蔵する約70点の作品をとおして、古代から近代までのローマの歴史と芸術を紹介します。同館のコレクションはヴァチカンの教皇との結びつきが強く、15世紀に教皇シクストゥス4世が4体の彫刻をローマ市民に寄贈したことに始まります。18世紀にはクレメンス12世により古代遺物コレクションが拡張され、1734年に美術館として開館しました」
ピエトロ・ダ・コルトーナ《教皇ウルバヌス8世の肖像》1629-31年 カピトリーノ美術館蔵 ©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini
《カピトリーノの牝狼(複製)》ローマ市庁舎蔵 © Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini
見どころを教えていただいた。
「《カピトリーノの牝狼(複製)》は、ローマのシンボルとして現在市庁舎に置かれているものです。英雄アイネイアスの子孫として生まれた双子が牝狼に育てられ、兄のロムルスがローマを建国したという神話によるもので、双子が牝狼の乳を吸う図像は、古代から彫刻や貨幣などに表されてきました。」
《カピトリーノのヴィーナス》 2世紀 カピトリーノ美術館蔵 ©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini ※東京会場限定展示
「また、東京会場のみですが、古代ローマ彫刻の傑作《カピトリーノのヴィーナス》も来日します。加えて、ローマ皇帝の巨像の一部を原寸大で複製した作品も展示します。2000年を超えるダイナミックな歴史と芸術をお楽しみください」
カラヴァッジョ派の画家《メロンを持つ若者(嗅覚の寓意画)》1625-30年頃 カピトリーノ美術館蔵 ©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini
永遠の都ローマ展
東京都美術館
~2023年12月10日
休室日:月曜、10月10日
開室時間:9時30分~17時30分 金曜は~20時
観覧料:一般2200円ほか
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL:
https://roma2023-24.jp※土曜・日曜・祝日は日時指定予約制
※福岡巡回あり
※入館は閉館30分前まで