写真/arc image gallery〈amanaimages〉
10月・ノブドウ
熟れるほどに鮮やかに
選・文=小林浩幸(雑草生態学者)珍しい植物ではないのだが、ノブドウの果実には何度見てもはっとさせられる。その色調は自然の中では珍しく、冬枯れも近づいて野の花の種類が減っていく中で、ひときわ異彩を放つ。
ひとふさの中のノブドウの果実が色とりどりなのは、熟度によって色が次々と変化していくかららしい。
写真/便所コオロギ〈PIXTA〉
最近、野山に生育するつる性の植物を街なかで見かけることが多くなったが、ノブドウも例外でなく、住宅街近くのコンビニのフェンスに絡まっていたりする。
写真/便所コオロギ〈PIXTA〉
ひと昔前、川べりにジュズダマが生育する地域では果実を首飾りにするのが女の子の野遊びの一つだった。ノブドウで同じように作ることができれば、どんなに素敵なことだろう。
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