服部道子プロに教わる 人生を豊かにするゴルフ ゴルフは老若男女、上級者や初心者にかかわらず、一緒にプレーを楽しめるスポーツです。自然と一体になりながら、脳と体を刺激する。人生100年時代、ゴルフを通じて健康に豊かに過ごすための秘訣を服部道子プロから教わります。連載一覧はこちら>>
プレーヤー、教育者として敬愛する偉大な背中
アジア人として初めてメジャーの全米女子プロで優勝し、国内外通算72勝の成績を収めた樋口久子さん。現役引退後は、日本女子プロゴルフ協会の会長として女子プロゴルフ界の土壌を築き、発展させてくださいました。
華やかな今があるのは、樋口さんの多大なご尽力があってこそ。今回は、私にとって偉大すぎるレジェンドについてお話しさせていただきます。
2008年、日本人初の国際女子スポーツ殿堂入りを果たした。写真/AP〈アフロ〉
私は樋口さんが引退されるまでの約3年間、日本でプレーを共にすることができました。ある日、「子どもの頃は、唯一休める雨の日が嬉しかった」とお話しすると、樋口さんは「何いってるの道子ちゃん、私は大嫌いだったわ。
ここが雨でも別の場所が晴れていたら、その人たちはもっと上手になってしまう」と。そのストイックさに超一流の心構えを感じました。
服部プロが全米女子アマで優勝した85年、樋口さんと初対談が実現。左から服部プロ、樋口さん、服部プロのお母さま。
引退後も、樋口さんはゴルフの技術だけでなく、礼儀正しく魅力的な人であることの重要性をご指導くださいました。例えば会話やインタビュー、服装について、プロとしての振舞い方を教えてくださいました。
また、多くのかたに支えられて大会が成り立っていることを知るために、新人研修の一環として公式戦などで裏方の仕事を学ぶ機会を与えてくださいました。そうした教育が実を結び、日本人選手が世界で躍動する今に繫がっているのだと思います。
1977年、全米女子プロゴルフ選手権でアジア人初のメジャー優勝という大快挙を成し遂げた樋口さん。写真/AP〈アフロ〉
樋口さんが大きくしてくださった女子プロゴルフ界、今も発信し続けてくださっている生涯スポーツとしての魅力を、私も多くのかたに伝えられるように努めていきたいです。
2023年「宮里藍 サントリーレディスオープン」プロアマ戦にて。今も週2、3回ゴルフをするという樋口久子さん。写真/日刊スポーツ〈アフロ〉
〔服部道子プロに教わりました〕
Q 雨の日のラウンドが苦手です。雨対策はどのようにしていますか
A 機能性の高いお気に入りのウェアで気分を上げて
少しでも快適にプレーするための雨対策として、まずグリップが濡れるとコントロールが悪くなってしまうので、私は全天候用の手袋をこまめに替えるようにしています。ウェアは、暑さや湿度によって着心地を調整できるように、袖を外せるレインウェアを着ています。
また、ウェアの上にレインパンツをはくとかさばって動きづらいので、防水性と伸縮性の高い一枚で着られるレインパンツがおすすめ。最後に傘について、右利きのかたは左手で持つと左右の腕の力が整い、ショットのミート率も上がるので意識してみてください。
服部道子(はっとりみちこ)
11歳からゴルフを始め、1984年に日本女子アマ選手権を当時の史上最年少で初制覇。1985年、全米女子アマを当時の史上最年少かつ日本人として初優勝。アメリカ・テキサス大学に留学しNCAAリーグで10勝。1998年に年間5勝を挙げて賞金女王に輝く。現在はゴルフオリンピック日本代表女子コーチを務める。著書に『好転力』(世界文化社)。ゴルフトーナメントのテレビ解説やコラム執筆でも活躍。
服部道子さんへの質問をハガキでお寄せください!宛先 〒102-8187 東京都千代田区九段北4-2-29
(株)世界文化社 家庭画報編集部
「ゴルフ連載」係
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