クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。
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第44回 レナード・バーンスタイン『ウエスト・サイド・ストーリー』
イラスト/なめきみほ
20世紀を代表するスーパースターからの贈り物
今日10月14日は、レナード・バーンスタイン(1918~90)の命日です。
1958年、新進作曲家として活躍しつつ、アメリカ生まれの指揮者として初のニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団(現ニューヨーク・フィルハーモニック)音楽監督に就任したバーンスタインは、圧倒的な人気と実力によってクラシック界を席巻。教育者としても活躍し、最晩年には札幌の「パシフィック・ミュージック・フェスティヴァル(PMF)」創設に尽力した20世紀を代表するスーパースターです。
そのバーンスタインの代表作『ウエスト・サイド・ストーリー』は、シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』の舞台を、1950年代のニューヨーク西側地区に置き換えて、白人とプエルトリコ系アメリカ人の2つの非行少年グループによる抗争と、若い男女の悲しい恋を描いたミュージカル。
1957年9月26日に、ブロードウェイで行われた初演は空前の大成功を収め、当時25歳のバーンスタインは、広くその名を知られる存在となったのです。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。